恋から愛、性から情へのソフトランディング | ミカリュス ブルガリスの心の薬箱

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辛い恋とはさようなら。自分らしく幸せに生きる処方箋をフランス・パリから綴っています。

これ、本当にそうだと思う。

 

 

 

(青字部分はマダムのブログからの抜粋です。)

 

子育て中、子どもにかまけて夫を放っておいてはいけない、髪を振り乱して一心不乱に子育てしてはいけないとは言うけれど、

 

髪を振り乱して一心不乱に子育てするくらいでないと、子どもが安心して大きくなれないし、愛情を感じられにくくて ➡ ひいては幸福感を得るのが難しくなるのではないかと私は思います。

 

どんなに愛情いっぱいに手をかけて育てたって難しいけれど、それさえできないと子どもが落ち着けない。安心できない。子どもでいられない。

 

 

何年も育休が取れる状況にあるひとはまれだろうし、命がけで子育てにがんばり、仕事も手抜きするわけにはいかず、しかも「女を捨てるな」って、どんな修羅場だろうと思う。たいていの軍事教練よりは辛いと思います。そりゃ離婚もするよ。​

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マダムのこの記事を読んで、頑張っていた過去の私が蘇ってきた涙が出てきた。

 

キャリア形成途中で、一人息子を出産した私は、まさにこの記事に書かれているように、髪振り乱して必死だった。

 

マダムの言う通り、どんな軍事訓練より辛いという表現がぴったりだった。

 

いつも寝不足で疲れていて、ストレスのため全く眠れなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

そうだったとしてもそうでなかったとしても、加齢に伴う肉体的な衰えや容姿の劣化を乗り越えてきたご夫婦ではあるだろう。

 

熟年になってからの再婚でなくてもしも初婚のときの相手だとしたら - 新婚早々の性愛がまさりがちな情熱的な恋を 時間の経過とともに穏やかな家族愛に変質させることに成功した方たちではないかと思う。

 

いわば、恋から愛、性から情へのソフトランディングに成功した先輩たちだ。

 

建前を教え、最善を求めるように教えられても、「そりゃ奥さんはキレイでセクシーなのに越したことはないけど、自分が失業中に/闘病中に髪を振り乱して働いて、家族の世話をしてくれているんだから、ムダ毛があっても気にしない。ありがたいことだ」と思えるようなひとのほうが添い遂げるんじゃないかと思う。

 

だから - 努力をしなくていいということではないけれど、それよりなにより、要はそういうひとを選ぶことが幸せの秘訣ではないかと思う。

 

相手を変えることはできないし、努力にも限界があると思うから。

 

 

 

 

最初の結婚は、若さゆえもあって、このソフトランディングができなかったのだと思う。

 

仕事を続けながら、髪振り乱して、寝不足のまま仕事を続ける私に、当時の夫はモデルのような美しさを求めていたけれど、それに応える体力も気力も全く残っていなかった。

 

 

 

マダムの言う通り、相手を変えることはできないし、努力にも限界がある。

 

 

 

 

若い頃の私は、頑張れば何でもできると思っていた。

 

子供の頃から優等生だった私は、努力の量と幸せの量は比例するという、驕り高ぶった考えを持っていたのだ。

 

 

 

頑張っても、頑張っても、乗り越えらない壁があるのなら、それはあなたが本当の自分を生きていないから。

 

 

そのことに気づいたのは、離婚してパリに住み始めてからだった。

 

 

 

 

1度目の結婚は、それを学ぶためのレッスンだったのだと思う。

 

 

 

「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
 

 

 

結婚式の日、この言葉に『OUI』と言ってくれ、いつでもどんな時でも、変わらぬ愛を注いでくれる夫に出会い、愛するための、避けて通れないレッスンだったのだ。