フランス・学校選び - 私立校事情 | ミカリュス ブルガリスの心の薬箱

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辛い恋とはさようなら。自分らしく幸せに生きる処方箋をフランス・パリから綴っています。

もうすでに読者になられて読んでいらっしゃる方も多いとは思いますが、ニューヨーク在住のコモンるみさんがニューヨークのプライベートスクールの実情について、非常にわかりやすく書かれておられます。



今回のテーマは、『幼稚園からの一貫教育で培われた家族ぐるみの強いネットワーク』についてなのですが、これはヨーロッパで暮らす私も子育てを通じて、常に感じている視点です。



興味のある方は、まずは、るみさんの記事をお読みくださいませ。









この記事に書かれているように、フランスで暮らす私も、子供のスタージュ先探しや、バカンスの過ごし方など、親同士のネットワークの大切さを痛感しています。

フランスでは、中学の最終学年に、5日間ほど企業でインターン研修を受けなければなりません。

フランスの企業も昨今はどこも不景気で、忙しい時期に、右も左もわからない中学生を預かって、指導してくれるような会社は滅多になく、個人でメールや手紙を送ってみても、お断りの返事があればまだいい方で、返事さえもらえないこともよくあるそうです。

そういう厳しい状況の中で、スムーズに話が決まっていくのが、親同士のコネクションを通して研修先を紹介してもらった子供たちです。

企業としては、中学生の成績表などをじっくり吟味して、話を聞いてくれる時間も担当者もいないことがほとんどなので、たとえどんなに成績が優秀な生徒でも、苦戦を強いられることになり、派手に遊びまわっていた仲良しグループのメンバーたちが、お互いの親のネットワークを通じて、有名企業へのスタージュをいち早くゲットしていくというのもよく聞く話です。




また、バカンスなども、南仏などの別荘に、子供の友達をまとめて招待したり、ラグビーやサッカーなどのスポーツ観戦なども、ちょっと良い席をまとめてリザーブして子供の友達を招待したりということも、日常的によくあることなので、子供たちは、小さい頃から、いろいろな社交の場に参加することになり、そこで知り合った誰かから、また招待を受けたり、年齢が上がるにつれて、独自のネットワークを築いていくようになります。




また、子供をウェイティングリストがあるような名門校に入学させる利点は、子どもを通じて、親自身のネットワークが広がるということでもあります。

それまで全く関わりのなかった親同士が、子供の学校が同じというだけで、急接近することもよくある話です。

そして、我が子と仲良くしてくれる子供の親というだけで、親同士にも親密な気持ちが芽生えて、困った時は助け合ったり、有益な情報を教えあったりと、深い友情に進展していくことも少なくはありません。






フランスは、私立と言っても政府からの助成金がたっぷり出ているので、ニューヨークのアッパーイーストの学校とは比べものにならない学費の安さということもあり、公立の評判の良くない地域では、普通の暮らしをしている人も私立を選ぶこともありますので、事情はかなり違います。

一部、郊外のカトリック系の私立校に、先生方も含めて、父兄や生徒の選民意識がすごい学校もありますが。。。

また、パリ市内の場合は、高級住宅地にある一部の有名公立校のレベルが非常に高く、グランゼコールへの進学率も良いので、政治家や有名人のお子さんなども通っていて、生活レベルも雲の上のような人たちが多くいるので、そういう学校に通っていると、お誕生日に呼ばれたお家がびっくりするような豪邸だったりすることはよくあることです。





フランスは、基本的に、社会主義色がまだまだ強い国なので、富や地位に関する価値観がアメリカなどの資本主義の国とは若干違っていて、その辺の微妙なニュアンスをうまく言葉でお伝えすることができず申し訳ありません。




ここから、青字部分は、るみさんのブログからの抜粋です。


だから、何?

と突っ込んでくださった方、ありがとうございます。

そこなんです! 笑


彼らの強みは
普通に暮らしていたら
萎縮してしまいそうな家や
パーティ、行事に招かれても
または年代が全く違う大人相手でも
物怖じしないでいられること

もっというと
親や友人のコネでお偉い大人たちにお世話になることをきちんと受け止められる

つまりそのプレッシャーに負けないで
さわやかに感謝して受け止め
よい関係を長く維持していけるのです。







そう、そうなんです。

本当、だから、何?

って感じなのですが、

そういう世界を知っているのと知らないでは、その後の人生で人を見る目が違ってくるのです。



口だけで大きなことを言う人に騙されるようなことはありませんし、その人の表面的な社会的地位や肩書きだけで、すごい!と思って萎縮してしまうことなく、自然体で接することができるようになります。


るみさんの記事にもあるように、桁外れの生活をしている人の存在が身近だと、どんどん謙虚になっていき、等身大の自分でいることができ、それを恥ずかしいと思わないというのが最大のメリットだと言えるかもしれません。






ちなみに我が家の場合は、パリ市内、および郊外で引越しを何度かしたことから、私立・公立の両方を経験することになりましたが、いずれの学区も比較的恵まれた暮らしをしている家庭が多かったことから、息子は本当のパリの多様性を知らないとも言えるかもしれません。


旅行以外で、パリ以外の地方都市もあまり知らないので、そういう意味では、本当のフランス社会全体を知っているとは言えないのが残念なところです。