「なんで‥わたしばっかりなの!!
フウタが‥お兄ちゃんイヤだったみたいに
わたしだって‥お姉ちゃんイヤだったんだから!!」


ゆずのどうぶつカルテ3巻~こちらわんニャンどうぶつ病院~
伊藤みんご(原案協力日本コロムビア)・KCなかよし
(なかよし掲載)


☆あらすじ☆
森野柚、11歳。5歳の時に父を亡くし母親と二人暮らし。母親が入院してしまい叔父の秋仁に預けられることになった…が、そこは動物病院!
柚は動物が苦手だけど、看板犬ソラを中心にいろいろな患畜と関わることで少しずつ慣れてきた。
お母さんのお見舞いに行ったゆず。病院にも犬がいるので驚いたが、「セラピードッグ」というらしい。
誰も見舞いに来ないお爺さんがそんな「大豆」を嫌がって‥?

動物病院と人と動物と。いろんな感情が絡まってはほぐれていく、ゲームとのコラボ漫画。


*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:*†*:;;;:


ゲームのコラボ漫画ですが動物の描写と病気の選び方、着眼点が非常に優秀な作品。主人公を「駆け出しの研修医」に置き換えればビーラブでも通用する内容になっています。なかよしで大人気の連載です。


今回の動物とそのトラブルですが、
まず「アルファシンドロームについて」
次が「かくれんぼ猫の看取り」
3話目が「兄弟犬と姉妹」
最後が「おじいさんとセラピードッグ」です。


人間もペットも、みんなが清く正しく生きてるわけではありません。人と人の間にはわだかまりがあり、ペットもずる賢くなったり、一方で我慢したりしています。

どの話も真剣に、人間とペットの心に寄り添うすばらしい作品です。


今回は最初のお話を。
ゆずと同学年でお金持ちの青山さんが飼っているプリン。青山さんはプリンを非常に可愛がり、高級なものばかり与えています。予防接種しに来たが注射なので「かわいそう」と拒否してしまう。
叱らないし食べさせ放題甘やかし放題で、飼い主の言うことをきかないし、他の犬に攻撃的。
ゆずの叔父さんはプリンをアルファシンドロームだと診断します。犬が飼い主を「下」に見ていて周りにも迷惑をかけるので、訓練が必要だと言うのですが青山さん自身も叱られたことがないので「叱る=キライ」と判断してしまい聞く耳を持ちません。
そして、それがとんでもない悲劇に。

血統書があっても、犬は育て方でいかようにもなります。とくに「賢い犬種」を甘やかすとずる賢くなり飼い主の邪魔やいたずらをするようになるそうです。
今回はまだ小さい犬だからいいけれど、大型の犬だと大変なことになっていたと思います。
そして「叱る」ということがなんなのか、人間もわからないことがあるということです。これは大人でもよくあること。


読者には兄弟犬のお話が身近かなと。
フウタ一匹では寂しいだろうと新しく仔犬のライタを飼った家族。楓とくるみの姉妹がいて、しっかり者の楓はくるみの面倒を見たり我慢をしていますがまだ小さい子なので限界があります。
友達から貰ったノートを妹に使われても母親に我慢しろと言われ泣き出してしまう。
そしてフウタもストレスで体調を崩してしまいます。ライタが来たことで住環境が変わり、さらにライタばかり構われたからです。
多頭飼いの難しいところで、いくら犬でも寝る時はケージを別にするなど配慮が必要だそうです。
そして母親も「あまりにしっかりしているから甘えてしまった」とお姉ちゃんに謝ります。

これはねー‥きょうだいがいる限り外せない話ですよね。
母が8つ下の弟にかかりきりで、私はいつも妹の面倒を見ていました。でも妹に言わせると服がお下がりばかりで不満だったらしい。お互い様なんですけどね。

4巻はさらに前後編があり、かなり深刻な話に突入します。
ご都合的に解決することも多い漫画ですが、「ペットのトラブル」からは一切目をそらさない姿勢がよいと思っています。

 

にほんブログ村 漫画ブログ 少女漫画へ
にほんブログ村