キミノネイロ(3) (講談社コミックスなかよし)/フクシマ ハルカ
¥440
Amazon.co.jp

「‥男になん‥か
できるかっ‥‥
‥だれでも いいわけじゃ
な‥い」


キミノネイロ3巻
フクシマハルカ・なかよしKC
(なかよし掲載)


★あらすじ★
椿屋明星(アキラ)、高校1年生。教師より背が高くムネも平らな女の子。女の子にはモテるが、心はしっかり乙女です。中学の頃から憧れていた鈴木晴くんが好き。

だけど鈴木くんには梅田音色(ネイロ)という天使みたいなかわいい幼なじみがそばにいた。ネイロはアキラと晴くんの邪魔ばっかりするが、実は男の子!

鈴木くんとネイロの姉オトハちゃんの関係が不安なアキラ。「じゃあきいてみればいい」とネイロがアキラに美少女メイクをほどこして‥?!

なかよしを牽引する不思議な魅力の作家、男の娘ワンサイデッドラブ。


☆☆☆

フクシマ先生は本当に大好きで毎月なかよしをたのしみにしています。
線は細くないし、上手いとは言えない絵ですが画面構成がポップでかわいらしく、色気を感じます。


「キミノネイロ」は背が高くて外見だけオトコマエなアキラと、かわいいことを武器に女装しているネイロの男女逆転ラブコメ。


前の巻で鈴木くんがオトハにこっそりキスしているのを見てしまい不安になったアキラ。ネイロにハッパをかけられ、真相を聞きに行きます。ですがネイロは何故か、アキラにメイクを施すのです。
女装しているとはいえ男の子にメイクしてもらうシーンは色気があり、アキラはドキドキしてしまいます。

メイクしたアキラは非常にかわいく、鈴木くんどころか学校全体が美少女だと認めます。本人は自分がかわいくないと思い込んでいるため、非常に慌ててしまいます。

この漫画は主人公アキラが外見的な女の子らしさに恵まれていないことから来る「自信のなさ」から話の全てが始まっています。
自信がないから鈴木くんになかなか近づけない。
自信がないからネイロに嫉妬する。
そして、いつもウジウジしている。

ネイロはそんなアキラにイライラしてイジワルしちゃうわけですが、お節介も焼いてしまう。

で、メイクを請け負ったネイロ自身がアキラの変身に驚いてしまい、またさらなる行動に出ます。アキラからしてみれば、また「イジワル」されたとしか思えないわけですが。


さて、とある理由でネイロがいつもの女装を解くイベントが発生します。自分はこれをずっと待っていまして、本誌で非常に喜んでました。

ここで今まで小出しにしてきたネイロの本音が発露します。
アキラにイジワルするのも、鈴木くんが好きだといってジャマするのも、みんなみんなアキラを好きだから。
ただし、アキラを好きになったきっかけはまだ不明ですね。「ずっと前から」と言ってますから、アキラと鈴木くんがであう前ではないかと思います。

でもネイロ自身も小さくて女の子っぽいため本当は自信がない。中身は十分オトコマエなんですけども‥多分鈴木くんにかなわないと思っているでしょう。

そして鈴木くんばかり追い掛けているアキラになんともいえない表情を浮かべます。

この表情がね、なんとも。


フクシマ作品は主人公に受け入れられない男子の思いを「表情」で示すのが上手く、今までもチェリジュの南やオレプラの太郎ちゃんなど、その魅力にひかれてきました。
ネイロも男の子に戻ってしまうと、彼らと同じような表情をします。女装しているときの「小悪魔」は出てきません。


で、アキラは「ネイロも鈴木くんが好き」「私は男子にモテない」と思い込んでいるため、「ネイロが私を好き」とは思い至らないんですよね。

ちょっと押し出せば解決するはずなのに、できないもどかしさ。これぞ、ザ・少女漫画です。


最近フクシマ作品がちょっと迷走していましたが、「キミノネイロ」は少女漫画たるべき骨組みがきちんとできているなと思いました。

本誌で大きな動きがあったので、さらなる展開を楽しみにしています。

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