朝イチで新文芸坐。今日から特集「木下惠介生誕100年祭 ファイナル」本日は山田太一さんと原恵一監督のトークショーが行われる。

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『永遠の人』(1961/松竹大船/シネスコ/107分/白黒)

阿蘇山の麓を舞台に、戦争に引き裂かれた小作人の娘(高峰秀子)と恋人(佐田啓二)、足を戦地で負傷した地主の息子(仲代達矢)とが生み出す、30年間に及ぶ辛苦を描く。フラメンコ風ギターのメロディが強烈な効果を生む。アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。

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『遠い雲』(1955/松竹大船/スタンダード/99分/白黒)

帰省した故郷で幼馴染との間に蘇る愛情を描いた佳作。飛騨高山に残る美しい自然や古い街並を捉えた静かなカメラワークと、クライマックスで畳み掛ける編集により、人々が抑えていた感情がこぼれ出る瞬間を描く。

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終映後、脚本家の山田太一さんと原恵一監督によるトークを拝聴。

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原監督曰く「ボクにとって山田さんはレジェンドな御方なので、こうして横に座ってご一緒いただくなんて、ホント恐れ多いです。」

山田太一さんが初めて木下惠介監督の現場に付いたのは『楢山節考』の撮影。当時まだ現場のことを何も知らない山田さんは、ラストの山のシーンの撮影の際「上に行って雪を降らせろ」と言われ、本来ならばチラチラ降らすところをドカドカ降らせて怒られたそう。今思えば、あれは新人へのイジメだったのではないかと振り返る。

元々は古い邦画に興味が無かったという原監督。ところがスピルバーグをはじめとする海外の映画監督達が「日本の映画監督の作品は本当に素晴らしい」と言うのを知り、黒澤明の作品を見てみたら凄く良かったので、他の監督の作品も…と木下惠介を見たら、黒澤明よりも良いなぁと思ったそうだ。

そんな原監督だが、実は初めて見た木下惠介作品が何だったのか覚えていないそうである。名画座の三本立てで見たはずだが思い出せず、何かの場面を見た時に「凄く良いなぁ」と思ったので、そこから木下惠介にハマったとのこと。

山田太一さんによれば、木下惠介監督はよく「男色の気があるのでは?」と言われるが、実際はそうではなく女性と喋るのが苦手で、気の合う男性とばかりよく喋る為、誤解されがちだったとのこと。

ちなみに『永遠の人』で田村正和さん演じる兄が、弟のほっぺたを軽くつねる場面があるが、あれは木下惠介監督の癖だそうである。

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終了後、ロビーで原恵一監督からDVD『はじまりのみち』&持参した色紙にサインを戴きました!

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映画の中で木下惠介(加瀬亮)が、母(田中裕子)を乗せて歩くリヤカーのイラスト入り!これは嬉しい!監督ありがとうございました!