【マンガ感想】
『薄命少女 (あらい・まりこ)』
薄命少女 (アクションコミックス)
あらい・まりこ 双葉社 2010-06-28 by G-Tools |
【あらすじ】
『殺し屋さん』『B.B.Joker』など4コマ界最強のヒットメーカー、一條マサヒデ先生の一番弟子が漫画アクションに初登場!! 余命1年を宣告された1人の少女とその父の悲しくも愉快な日々を描く、生と死と笑いの物語。
余命1年と宣告された父子の日々を描く4コママンガです。
主人公・『橘佳苗』は、父親と2人で暮らしている普通の女子高生(母親はすでに他界)。
ある日、主人公・『橘佳苗』は、自分が『余命1年』だということを知ってしまう。
という感じで始まる作品でして、余命1年を宣告された普通の女子高生な主人公・『橘佳苗』と、
酒浸りになりながらも余命1年を宣告された娘を助けるために日々奮闘する父親・『橘信吾』の
1年間を描くヒューマンドラマ系4コママンガです。
物語的には、主人公・『橘佳苗』が自分が余命1年であることを知ってしまうところから始まりまして、
余命1年ということに悩みながらも普通に暮らしていく主人公が描かれていくことになります。
最初こそ、余命1年であることを「美人薄命なの」とギャグにしていた主人公・『橘佳苗』ですが、
自分に惚れてくれている男の子(田中)や、同級生の友人(リサ)、同じ学校の生徒(志穂)との交流が
描かれていくことで、死ぬことに対して恐怖と未練を感じるようになり徐々にシリアスになっていきます。
しかし、途中、主人公と同じ病気で亡くなった母親のイベントや、主人公の出生の秘密などが描かれて
いくことで、僅かながらも主人公が助かる可能性が出てくることになります。
(↑手術が決まったものの成功確率が僅かなため、遺書を書く主人公・『橘佳苗』)
主人公はこのまま死んでしまうのか、それとも生き続けることが出来るのか・・・、
衝撃の最終回へ繋がっていきます(ネタバレになるので、これ以上は書きません)。
個人的にですが、“余命1年”という設定でありがらも、死に対する伏線が無いため(血を吐く・倒れる)、
途中までは「余命1年というのは冗談なのだろ?4コマだし、雰囲気はコメディーだし」と思ってました。
でも、最終回へ向かっていくにつれて、様々なイベントが描かれることで「余命1年は本当なの?」と
感じ始め、最終回を読んだときは、その想像もしていなかった展開に言葉を失ってしまいました。
何と言うか、このような『物語の終わり方』があるのだな~、と。
購入してから何度繰り返し読んだか判らないほど、読み返してしまいました。
本当に、この作品を買って良かったと思いました。
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【総評】
『あらいまりこ』先生の最新作です。
“余命1年”という設定を、作者らしいコメディータッチ+シリアスタッチで描いている作品です。
衝撃的な最終回はもちろんのこと、それまでに至るストーリーも秀逸で素晴らしい作品でした。
試し読み もあるようなので、興味ある方はぜひともご覧いただければな、と思います。
点数的には
92点
です。
では、ここまで。