【マンガ感想】
『王様の仕立て屋~サルト・フィニート~ 24巻 (大河原遁)』
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【あらすじ】
イタリア・ナポリの泥棒市に住む日本人、織部悠。ナポリ中の“究めし職人”から“ミケランジェロ”と賞賛された伝説の名仕立て屋が、唯一認めた弟子である。ジラソーレ社ナポリ本店を訪れ注文を出した辛口服飾評論家のボンピエリ。彼の目に適う一着を仕立てる為、協力する事になった悠だったが…!?
イタリア・ナポリを舞台に、服の仕立て屋さんを主人公とした作品です。
基本的にウンチク系読みきり作品で、よくある未熟な仕立て屋さんによる成長物語ではなく、
すでに至巧の技を身に付けた主人公が、服の依頼と依頼人の悩みを同時に解決していく話です。
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ここからは、24巻の感想。
24巻では、『ジラソーレ社』を訪れた辛口批評家・『ボンピエリ』が訪れることで、
『ジラソーレ社』にとって「ブランドとは?」が問われることとなりました。
そんな24巻で面白かったイベントは、おもちゃ屋さんの話です。
この話は、『ベリーニ伯爵』が『コンスタンツェ』とローマのデパートの文具売り場の主任・『コロンナ』に
会いに行くことから始まる話です。 しかし、そのデパートの経営方針の関係で、その『コロンナ』が、
文具売り場からおもちゃ売り場に(スケットとして)配置換えしていまして、慣れない職場に右往左往して
いる『コロンナ』を目撃してしまい、『コンスタンツェ』は『ベリーニ伯爵』から「なんとかならない?」と
依頼されることとなりました。
その『コロンナ』は40年間ほど『ピナイデル』という有名文具店に勤めていたそうで、
定年後、現在務めているデパートの文具売り場に務めることとなったという経歴の持ち主です。
そんな文具の専門家である彼が、おもちゃ売り場で子供相手に接客をしなければならなくなったため、
かなりのストレスを感じているようでして、なんとかそのストレスを軽くするために『コンスタンツェ』が
この職場にあった服装を依頼されることとなりまして、解決のために『織部悠』の力を借りていという
いつも通りの展開となってききます(本当は、『ジラソーレ社』に対して依頼された案件ですけど・・・)。
この話を通して、『ジラソーレ社』でしか作ることのできない「女性が憧れる男性像」を具現する服装を
突き詰めていくこととなりまして、この巻のテーマである『ブランドとは?』の『ジラソーレ社』としての
答え(方向性)が垣間見れるのが非常に面白く読むことが出来ました。 また、ただ『織部悠』の力を
借りるのではなく、『ジラソーレ社』独自の心遣いを『コロンナ』の服装に取り入れたところも、
『ジラソーレ社』の底力を見せてくれた感じがして、より面白かったです。
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【総評】
『ジラソーレ社』の創立幹部12名全員が一気に登場したため、非常に華やかでした。
その12名の中でいつもはあまり目立たない『アンナ』が活躍したのは個人的に面白かったです。
彼女も一応この個性的な会社の創立メンバーなんだなと感じさせてくれるイベントだったと思います。
点数的には
88点
です。
次巻では、新章に突入するようです。
予告を見る限り、テーマが靴になりそうな感じですね。 次巻も楽しみです。
では、ここまで。