『中央モノローグ線』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『中央モノローグ線 (小坂俊史)』

 

4812471710 中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)
竹書房 2009-10-17

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【あらすじ】

中野の「なのか」、高円寺の「マドカ」、阿佐ヶ谷の「麻美」、荻窪の「圭」、西荻窪の「茜」、吉祥寺の「祥子」、三鷹の「ミカ」、武蔵境の「キョウコ」。東京はJR中央線沿いの街に住む8人の女子の、等身大な「今」を描く青春群像劇!! 連載時から反響を呼んだ著者新境地、2009年10月17日(土)待望のコミック化!!

 

 

4コマ王子こと『小坂俊史先生』の最新作です。

 

JR中央線沿いの8つの街(中野・高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪・吉祥寺・三鷹・武蔵境)に

住んでいる8人の女の子達を主人公に、彼女らの等身大の『今』を描く青春群像。

 

という感じの作品でして、JR中央線沿いに8つの街に住んでいる女の子達が、

それぞれ住んでいる街に関して、様々に語っていくという感じで構成されている作品です。

 

主な登場人物としては、作者自らをモデルとしている中野の『なのか』から、

高円寺で激安古着屋を経営している『マドカ』、阿佐ヶ谷にある中小企業に勤めている『麻美』、

西荻窪に住んでいる貧乏劇団員・『茜』、荻窪に住んでいるシングルマザーの『圭』、

三鷹に住んでいる文学少女な大学生・『ミカ』、武蔵境に住み都会に憧れる高校生・『キョウコ』、

そして吉祥寺の謎の女性・『祥子』まで、その街に本当に住んで居そうな8人です。

 

タイトルの『モノローグ(演劇で登場人物が相手無しに一人で言う台詞のこと)』のとおり、

そこに住んでいる女の子達にその街について語らせる事で、その女の子達とその街の関係、

その女の子達がその街をどのように思っているのか、そして、その女の子達がその街でどのように

暮らしているのかなどが、面白おかしく描かれていまして、中央線沿いに住んでいなくても

その街を身近に感じる事ができる面白い作品に仕上がっていると思います(^^ゞ。

 

特に、作者自らをモデルとしている中野の『なのか(表紙の女性)』のエピソードは面白く、

この作者が普段、中野でどのような生活をしていたのかが垣間見れるところが良いのですね(^^ゞ。

まあ、もちろん、『なのか』の場合、女性らしいイベントが多いので、そのまんまではなさそうですけど・・・。

 

いや~、面白かったですよ。

 

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【総評】

王子の最新作は、過去の作品とは全く違うタイプの作品でした。

エッセイ風な作品なので、漫画を読んでいるというよりは読み物を読んでいる感じの作品でして、

王子の既刊本のような作品を期待して買われると肩透かしをしてしまう可能性が高いです。

ただ、はっきりと言える事は、この作品“も”面白いということです(^^ゞ。

エッセイ風作品なので万人に受けることはない思いますが、王子ファンの一人としては

多くの方にお薦めしたいですね。

 

点数的には

90点

です。

 

王子曰く、「大げさに言えば今後の自分を左右する一冊になると思います」とのこと。

その言葉の通り、この作品は王子の新境地といえる作品でして、この作品がヒットすれば、

今後の王子の作品の傾向に大きな影響を与えていく事になりそうですね。
 

 

では、ここまで。

 

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