『絶対可憐チルドレン 1巻・2巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『絶対可憐チルドレン 1巻・2巻 (椎名高志)』

 
椎名 高志
絶対可憐チルドレン 1 (1)
絶対可憐チルドレン 2 (2)

 

『GS美神極楽大作戦!!』で有名な椎名高志先生。

でもこの人は週刊少年サンデー系なので全然読んだことがありません。

なるほどこんな感じの作品を書く人なのですね。
 

 

【あらすじ】

時は21世紀。軍事、外交、経済などあらゆる面において国際競争力の鍵を握っているのはエスパーとなっていた。内務省特務機関超能力支援研究局(通称B.A.B.E.L(バベル))と呼ばれている機関に所属する幼い子供達、「チルドレン」が、この物語の主人公である。

超能力(ESP)を制する国が世界を制するこの時代だが、高レベルのエスパーになるほど数が少なく、中でも最強の「レベル7」に至っては国内では彼女たち3人しかいない。「チルドレン」は国にとって貴重な能力を持つと同時に、万一その能力が暴走したり、普通人に敵対したりすれば止める事ができない危険な存在でもあるのだ。B.A.B.E.Lは彼女たちの能力を利用すると同時に、悪しき方向に成長しないよう導かねばならなかった。

 

 

テーマは、『超能力』。

私は、こういうSFチックな作品が大の苦手なのですが、

この方の作品は非常に読みやすかったです。

一巻ではあまりその面白さがわかりづらいですが、

二巻になれば作者もノリに乗ってきたのか面白くなってきます。

 

さて、この作品で描かれることは、

『エスパー(超能力者)』への脅威・差別・そして普通の人との対立。

もし、『エスパー』がいたなら、こういう問題が起こりえるだろうということを

全て描ききっている様は、ある意味かなりリアルです。

 

もちろん、全編がそのようなシリアスな世界ではなく、

普段は10歳のエスパー少女3人と主人公とのドタバタコメディなのです。

こういうドタバタコメディ部分を描きながらも、上記のようなシリアスな部分を

描いているので、作者の実力がはっきりとわかり高い完成度を感じさせます。

ただ、ベテラン作家だけにコメディ部分の描き方が少し古く感じますが(^^;。

私は、そこに多少違和感を覚えましたね。

 

この作品が面白いところは、すでに未来がわかっているところです。

その未来に悩みながらも諦めず変えていこうと努力していく様は、

やはり少年漫画らしく面白く感じます。

主人公の成長と少女3人の成長物語としても完成度は高く、

非常に丁寧に描かれていますから好感が持てます。

 

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今回の作品は、10歳の少女3人がメインを張っていますが、

今流行りの『萌え』とは全然違うものです。

昔ながらの少年漫画らしい清々しさを感じさせる面白い作品となっています。

ただ、この作品が今の少年誌の読者に受けるのかといえば、

多分受けないと思いますね。 やはり少し古い感じがします。

面白い作品だと思いますが、やはり青年誌に移動なされた方がいいのかも。

 

だから、長期連載をすることができるのかわかりませんが、

期待したい作品であることは間違いないですね。

近々、3巻も買ってこようと思います。

 

 

では、ここまで。