薄桜鬼・妄想小説【花吹雪】第19話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから→


かなりのお目汚しです。

それでも宜しい方はどうぞ。













「…!」


風間の姿に声も出ず、

途端に美桜の身体はガタガタと震え、

顔も身体も青ざめていく。


遠ざかっていた記憶のカケラが甦ってくる。




「久しぶりだな、美桜」


口元には不敵な笑みがあった。



「そろそろ身体が疼き出す頃だろう。

迎えに来てやったぞ」


後退りをする美桜。


「…やっ…いやっ!」


近づいていく風間。


「ほう、前よりも綺麗になったな。

一度鬼を味わうと身体が覚えているからな。

喜べ。また一段とお前は綺麗になる」


美桜の顎を持ち上げニヤリと笑う。



美桜は歯を食い縛り、風間を睨む。


「私は沖田総司の妻となった身です!」


美桜は毅然と言い放つ。



「ほう、言うようになったな。あやつとか。

あんな先の短いやつと添い遂げてどうする?

どうせお前が一人になる。

俺の元に来れば良かろう。」

口元に三日月を作る。


「お断りします!」

美桜は風間を睨んだ。


「お前が誰の妻であろうが、

そんなことは俺には関係ない」


そっと美桜の首に口付けを落とし


「お前が欲しいのだ」

と耳元で囁いた。





風間は天霧が美桜を連れ去ったことを別に怒りもしなかった。

その時の風間にとって美桜はそのくらいの存在でしかなかった。


ただ、日が経つにつれ美桜を思い出すことが多くなった。


美桜の屋敷を探しあて、美桜を探した。

特に連れ去ろうとは思ってはいなかった。

ただ姿を見たかっただけだった。




だがそこにいた美桜は


沖田の腕の中で

桜色に肌を染め、

甘い声で啼き、

とろけるような表情で

沖田の名を何度も呼んでいた。



風間は全身が痺れたような感覚に襲われ

自分の屋敷に戻った。



風間が抱いた美桜は

ずっと瞳に恐怖を抱き、

身体は強張り、

泣き叫んでいた。



「今あの男と共に殺せば良かった」と思った。


風間は嫉妬を覚えた。


生まれてきてから、欲しいものは全て手に入れてきた。


沖田に抱かれる美桜を思い出しては苛つく日々を過ごした。


我慢の限界だった。



欲しかった女が、今、目の前にいる。










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




見てたね~。


ちー様、見てたんだね~。


あの襖開けっ放しの日ね~。






次は最終話となります。



私なりの愛を込めて、

読んで下さった方々に捧げます。



どんな結末でも受け止めて頂けると

ありがたいですm(_ _ )m





【花吹雪】目次を作りました。


お時間ありましたら、読み返して見てみてくださいね。→








みふゆ