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第1話はこちらから→★
かなりのお目汚しです。
それでも宜しい方はどうぞ。
「…!」
風間の姿に声も出ず、
途端に美桜の身体はガタガタと震え、
顔も身体も青ざめていく。
遠ざかっていた記憶のカケラが甦ってくる。
「久しぶりだな、美桜」
口元には不敵な笑みがあった。
「そろそろ身体が疼き出す頃だろう。
迎えに来てやったぞ」
後退りをする美桜。
「…やっ…いやっ!」
近づいていく風間。
「ほう、前よりも綺麗になったな。
一度鬼を味わうと身体が覚えているからな。
喜べ。また一段とお前は綺麗になる」
美桜の顎を持ち上げニヤリと笑う。
美桜は歯を食い縛り、風間を睨む。
「私は沖田総司の妻となった身です!」
美桜は毅然と言い放つ。
「ほう、言うようになったな。あやつとか。
あんな先の短いやつと添い遂げてどうする?
どうせお前が一人になる。
俺の元に来れば良かろう。」
口元に三日月を作る。
「お断りします!」
美桜は風間を睨んだ。
「お前が誰の妻であろうが、
そんなことは俺には関係ない」
そっと美桜の首に口付けを落とし
「お前が欲しいのだ」
と耳元で囁いた。
風間は天霧が美桜を連れ去ったことを別に怒りもしなかった。
その時の風間にとって美桜はそのくらいの存在でしかなかった。
ただ、日が経つにつれ美桜を思い出すことが多くなった。
美桜の屋敷を探しあて、美桜を探した。
特に連れ去ろうとは思ってはいなかった。
ただ姿を見たかっただけだった。
だがそこにいた美桜は
沖田の腕の中で
桜色に肌を染め、
甘い声で啼き、
とろけるような表情で
沖田の名を何度も呼んでいた。
風間は全身が痺れたような感覚に襲われ
自分の屋敷に戻った。
風間が抱いた美桜は
ずっと瞳に恐怖を抱き、
身体は強張り、
泣き叫んでいた。
「今あの男と共に殺せば良かった」と思った。
風間は嫉妬を覚えた。
生まれてきてから、欲しいものは全て手に入れてきた。
沖田に抱かれる美桜を思い出しては苛つく日々を過ごした。
我慢の限界だった。
欲しかった女が、今、目の前にいる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
見てたね~。
ちー様、見てたんだね~。
あの襖開けっ放しの日ね~。
次は最終話となります。
私なりの愛を込めて、
読んで下さった方々に捧げます。
どんな結末でも受け止めて頂けると
ありがたいですm(_ _ )m
【花吹雪】目次を作りました。
お時間ありましたら、読み返して見てみてくださいね。→★
みふゆ