条例指定のNPO(税制優遇)~千葉市の例 | 【公益法人・NPO法人・社会福祉法人】非営利会計ナレッジ

【公益法人・NPO法人・社会福祉法人】非営利会計ナレッジ

非営利会計専門業務経験8年、研究も行う公認会計士内野恵美が、急速に変わりつつある非営利会計について気づきをシェアするブログです。

 大変ご無沙汰しております。
 公認会計士・税理士の内野恵美です。

 また久々の更新になってしまいました。
 
 そのようなタイミングにも関わらず、いきなり認定NPO法人制度に関する地域限定(千葉市)の情報で恐縮です。

 ただ、本日からパブリックコメント募集という熱い情報ですし、認定NPO法人制度に関して、法律による認定と所轄庁(都道府県と政令指定都市)の個別指定の扱いの区別を理解するには良い事例ではないかと思います。

 下記に紹介する千葉市のリンクの資料の図解は非常にわかりやすいです。
 当初、末尾リンクの数日前の新聞記事だけ読んでいたら訳がわからなくなってしまったのですが、これでようやく理解できました。

 さて、2014年度から千葉市のNPO法人に寄付する場合、法律によるもの以外に、市の独自の基準による条例指定のものが加わる見通しです(議会の議決は必要です)。

 こちらの内容は次のとおりです。

◯まず、市指定のNPO法人については、法律のパブリックサポートテスト(PST)の要件を条例で緩和することでまず市民税の控除がうけられる。この具体的な要件は「市民限定」として「市民等の寄付者50人以上」か、「市民等の寄付金の割合が10%以上」と半分に緩和される。

◯次に市の指定要件を満たしたうえで、PST以外の認定NPOの要件を満たすことで認定NPO法人となることができる。この結果、所得税と県民税と市民税、すべての控除を受けられることになる。

◯つまり、PSTを緩和することで、認定NPO法人取得のハードルが低くなったといえ、実質的には「認定NPOの要件緩和」となる。


 この条例を2014年度より適用するために千葉市では、パブリックコメントを本日から募集しています。

「千葉市指定特非営利活動法人の手続等に関する条例(案)」概要
http://www.city.chiba.jp/shimin/shimin/jichi/public1101.html
http://www.city.chiba.jp/shimin/shimin/jichi/download/public1101_gaiyou.pdf


 新聞記事のほうは、日経よりも読売のほうがわかりやすいし、誤解を招かないような気がしました。一応意味はとおりますが、そもそもNPO法人はすでに設立されているのに、この制度により「認定NPO法人の"設立"を促す」って書き方はいただけないと思います。

(日経)http://www.nikkei.com/article/DGXNZO61759560Y3A021C1L71000/
(読売)http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20131027-OYT8T00940.htm

 ただ、そうはいってももう千葉市から条例案の概要が出ていますので、それをご覧になるのが当然よいです。

 ここまでお読みくださってありがとうございます。

 もともと寄附者税制の話として、公益社団・財団法人の税額控除の話から再開しようと思っていましたが、同じタイムリーなトピックがありましたので、ここから始めることにしました。

 もちろんこれまでの話の積み残しも少しあるような気もしています。
 とにかくコンスタントな投稿を目指します。
 よろしくお願いいたします。