こんにちは。
公認会計士・税理士の内野恵美です。
今年になってから初めてというほどブランクが空いてしまいました。
昨年末ごろから身内の不幸やそのあとのいろいろな手続などプライベートで初めて経験することが続き、すっかり調子が狂ってしまいました。
ただ、仕事はしてました。
しかも、初めて取り組むことが多く、プライベートの雑務に没入してしまいそうなところ、おかげ様で現状維持以上のことができたと思っています。
多少は息抜きもしてましたし、結果として、一番しわ寄せがきたのがこのブログだったのかもしれません。
ブログの記事を読んでくださっていた縁で新しい仕事にもつながったのに、かなりまずいですね。
いやそれはわかっていてどうにかしなければと思いつつ、早や何か月・・とにかく次回から最低週1回のペースで再開したいと思います。
途切れないように少し柔らかいテーマのものも混ぜたいと思います。
それからムシが良い話ですが、これまでの投稿内容もとくに陳腐化しているものはないので、参考にしてください。
ということで、今回は再開予告です。
非営利会計でお困りのことがあればお問い合わせください。
(写真はこの夏頑張った我が家のアサガオさんたちです(^^))
こんにちは。公認会計士の内野恵美です。
もう今年も終わりそうな時期になってしまいました。
ところで、このブログも時々中断(長すぎる中断^^;)も含めて書き進めてきましたが、以前の「企業会計と非営利会計の比較」のところでお話しし忘れていた部分がありました。
損益計算の開示の比較です。
公益法人会計基準を例にとると、企業会計の損益計算書との科目の比較は次の表のようになります。
クリックして拡大してご覧ください。
公益法人等の正味財産増減計算書は、企業会計の損益計算書にあたります。
正味財産増減計算書は、一般正味財産増減の部、指定正味財産増減の部、基金増減の部(基金を設けた場合)の三区分からなります。
このうち一般正味財産増減の部は、事業内容による科目名称の違いはありますが、様式や計算構造は、損益計算書とほぼ同じです。
さて各項目についてみていきましょう。
1.経常収益
経常収益は、公益法人等の経常的活動から生じた収益ですが、公益法人等の事業の財源を表す会費や寄附金等、基本財産や特定資産等の資産の運用益などから構成されます。
ここは売上高やその他営業収益からスタートする損益計算書と異なっています。
そもそも経常収益のなかで、事業(営業)収益と事業(営業)外収益がわかれていないというのもありますが、 基本財産や特定資産に含まれる金融資産の運用益も公益法人の事業の財源として重要であるため、「上のほう」で表示されることになります。
2.経常費用
経常費用は事業費と管理費からなります。
公益法人会計基準(平成20年基準)によれば、事業費は「事業の目的のために要する費用」とされ、直接事業費のほか、事業部門の管理者の人件費など間接事業費(事業管理費)に相当するものも含まれます。
管理費は「各種の事業を管理するため、毎年度経常的に要する費用」で、理事会運営費や管理部門に係る支出からなります。
損益計算書との対比では、売上原価と販売費が事業費に、一般管理費と営業外費用が管理費に概ね相当すると考えてよいと思います。
3.経常外収益・費用
損益計算書における特別利益、特別損失にあたるものが、経常外収益、経常外費用となります。
公益法人会計基準においては、公益認定制度への対応を合わせて行う目的で有価証券評価損益(売却損益含む)を当期経常増減額(損益計算書での経常利益)のすぐ上のところで加減していますが、これはかなりイレギュラーな開示といえるでしょう。
本来、会計と制度対応は別個のものであるべきですが、こういうことになっています。
非営利の会計基準には、NPO法人会計基準がありますが、上記のイレギュラーな開示などを除けばNPO法人の活動計算書と公益法人の正味財産増減計算書はよく共通点が多いです。
ここまでお読みくださってありがとうございます。
もう仕事収めの時期ですが、年末年始にも投稿できればと思っています。
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こんにちは。
公認会計士の内野恵美です。
おそらく1回お休みしますといって、結局2週間休んでしまいました。
ちょっと原稿等で難航しておりました。
さて特例民法法人の移行期間も終わりましたが、内閣府の公益認定等委員会のサイトも、とくに今年に入ってからはいろいろなアンケート調査結果や勧告などのお知らせ(「内閣府からの重要なお知らせ」)が増えてきました。
公益認定等委員会も、従来の社団法人や財団法人の移行対応からかなり手が離れて(もちろん期日間際に申請した特例民放法人への対応も大変かと思いますが)、本来的な活動に入ってきたようにも思います。
今回は、その中で11月29日に公表された
「公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関する実態調査」
について、直近のテーマとのつながりから、簡単にご紹介したいと思います。
本文は上記のリンクにあります。
要旨は次のとおりです。
◆調査の目的
公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関し、税制上の措置の影響等の実態を把握すること
◆対象法人
公益社団法人及び公益財団法人 8,515法人
回答法人数 3,987法人(回答法人数の46.8%)
◆要旨
・既に税額控除対象法人の証明を受けている法人は341法人(同8.6%)。
・税額控除対象ではない3,646法人のうち、PST要件を満たしていると回答した法人は230法人(同5.8%)。このうち43.5%に当たる100法人が税額控除の適用を希望。
・既に税額控除対象法人とPST要件を満たしている税額控除対象でない法人を合計すると回答法人の14.4%に当たる計571法人。
・PST要件を満たさないと回答した3,416法人のうち、8.3%に当たる284法人がPST要件は満たさないものの税額控除の適用を希望。
このような調査・公表からしても、認定等委員会サイドでは、税額控除制度を公益社団・財団法人にももっと普及させたいということなんでしょう。
一方、同じ調査において総収入に対する寄付金収入の割合が1.68%(平成24年度)となっているところから、現状の公益社団・財団法人の収支構造は寄付金への財源依存度が低く、ましては個人の寄付金となるともっと低い状態にあることから税額控除の必要性を感じられない場合もあるでしょう。
また、仮に
"今後は個人の寄付金も財源として考えていきたいので、税額控除を申請したい"
といったときには、PSTは実績ベースで充足することが必要なため、一定期間(5年)の寄附の実績が必要となります。
最初は税額控除の対象になることをアピールして寄付金を集めることはできない状態で(所得控除のメリットはあります)PSTの要件を充足するだけの寄付金を集めなくてはなりません。
このようなファンドレイジングの安定した仕組みを作り上げていくことが、新規に申請sするにあたっての一番の課題になると考えられます。
ここまでお読みくださってありがとうございます。
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おそらく1回お休みしますといって、結局2週間休んでしまいました。
ちょっと原稿等で難航しておりました。
さて特例民法法人の移行期間も終わりましたが、内閣府の公益認定等委員会のサイトも、とくに今年に入ってからはいろいろなアンケート調査結果や勧告などのお知らせ(「内閣府からの重要なお知らせ」)が増えてきました。
公益認定等委員会も、従来の社団法人や財団法人の移行対応からかなり手が離れて(もちろん期日間際に申請した特例民放法人への対応も大変かと思いますが)、本来的な活動に入ってきたようにも思います。
今回は、その中で11月29日に公表された
「公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関する実態調査」
について、直近のテーマとのつながりから、簡単にご紹介したいと思います。
本文は上記のリンクにあります。
要旨は次のとおりです。
◆調査の目的
公益社団法人及び公益財団法人の寄附金収入に関し、税制上の措置の影響等の実態を把握すること
◆対象法人
公益社団法人及び公益財団法人 8,515法人
回答法人数 3,987法人(回答法人数の46.8%)
◆要旨
・既に税額控除対象法人の証明を受けている法人は341法人(同8.6%)。
・税額控除対象ではない3,646法人のうち、PST要件を満たしていると回答した法人は230法人(同5.8%)。このうち43.5%に当たる100法人が税額控除の適用を希望。
・既に税額控除対象法人とPST要件を満たしている税額控除対象でない法人を合計すると回答法人の14.4%に当たる計571法人。
・PST要件を満たさないと回答した3,416法人のうち、8.3%に当たる284法人がPST要件は満たさないものの税額控除の適用を希望。
このような調査・公表からしても、認定等委員会サイドでは、税額控除制度を公益社団・財団法人にももっと普及させたいということなんでしょう。
一方、同じ調査において総収入に対する寄付金収入の割合が1.68%(平成24年度)となっているところから、現状の公益社団・財団法人の収支構造は寄付金への財源依存度が低く、ましては個人の寄付金となるともっと低い状態にあることから税額控除の必要性を感じられない場合もあるでしょう。
また、仮に
"今後は個人の寄付金も財源として考えていきたいので、税額控除を申請したい"
といったときには、PSTは実績ベースで充足することが必要なため、一定期間(5年)の寄附の実績が必要となります。
最初は税額控除の対象になることをアピールして寄付金を集めることはできない状態で(所得控除のメリットはあります)PSTの要件を充足するだけの寄付金を集めなくてはなりません。
このようなファンドレイジングの安定した仕組みを作り上げていくことが、新規に申請sするにあたっての一番の課題になると考えられます。
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