エレベーターができる予定の駅でベビーカーを降ろしてくれる謎のヒーロー 「そしたら僕は卒業です」と語る彼の今後と地域とのかかわり方≪続きを読む≫
<提供:ねとらぼ>
東京都杉並区にある方南町駅は都心に近いにもかかわらず生活感あふれた暮らしやすい町が駅前に広がる。そんな町に定期的に現れるヒーローがいるという。その名は「ベビーカーおろすんジャー」。……
ベビーカーおろすんジャーの使命はベビーカーの階段昇降の手伝いに加え、大きな荷物を持った方のお手伝いもしているんだとか。さらに周辺のお掃除に加えて、町の人への挨拶も欠かせないという。……
「9年前、田舎から東京に上京してこの周辺に住み始めたんです。都会の人は冷たいと聞いていたのに、この町の人はとても温かい。地元にいるような感覚で過ごすことができました。そしたら何か恩返しをしたくて、まず始めたのが家の近所の掃除だったんです。そして、掃除を通してさらにみなさんと会話をしたかったのですが、僕はシャイなので掃除をしてるだけで話しかけることができずにいました。それで、学生時代にイベントで使用したこの衣装を見つけ、この姿なら話せると思って着用。以来、ずっとこの姿です」……
「4、5年前、ここに住むママさんが『ベビーカーで電車に乗るときはエレベーターのある隣駅まで行くんですよ』と話してくれたんです。この駅にも来年エレベーターができるようですが、当時はなかったので、その手伝いができたら町の人への恩返しがさらにできるなと思ったんですね」
「……半年前から月に一度開催している『おろすん祭り』…… 僕が勝手にやってるお祭りです。ここに住むママさんたちに、この町に何が欲しいかというアンケートを取ったら、子どもの遊び場という回答が多かったんです。そこで、月一度だけでも、そういう場を作ろうと始めました。内容は子どもたちが主役になれるものを毎回考え、子ども食堂や子どもがお祭りを手伝える企画などを開催しています。ちなみに今回は、子どもたちがカメラマン、リポーターになって商店街を案内する企画もあり、みんな楽しんでくれました!」……
どの時代にもいるヒーロー。その一人である「ベビーカーおろすんジャー」は、町のために、町のみなさんのために労を惜しまない。来年、駅にエレベーターができる予定と聞いた。そうしたらおろすんジャーの仕事はなくなる。どうするのか? そんな問いに「それは本望なのでうれしいことですね。僕は卒業です(笑)。そうしたら、“町起こすんジャー”でもなんでもいいので、別の形でこの町の役に立ちたいですね」と話してくれた。こんな心清らかなヒーローがテレビの中でなく現実にいた。……
「今時の若いもんは……」なんて愚痴る御仁がいたら、「こんな若者もいるよ♪」と嬉々として紹介したいですね〜。
まず「恩返し」という発想が素晴らしい。
町の人たちが優しく、居心地のいい場所であったからこそ抱いた思いであっただろうけど。
でも、「いい町だな」と思うだけで終わってしまう人が殆どでしょう。
そんな中で、周りの人が必要としていることをキャッチして、地道に活動する真摯な姿勢に脱帽。
彼に倣って、津々浦々の町で「○○ジャー」が誕生するといいなあ。
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