日本がん予防学会理事長の小林博さんによれば、「あってはいけないもの」として徹底して叩くだけの「奢れる医学」から、「あっても仕方ないもの」と考え共存していく、生身の人間をいたわりながら治療する「謙虚な医学」へ転換しているとのこと。※
がん体験は、人生を考える契機になる人が多く、小林さんもその一人です。
20数年前にがんを経験し、死を意識したことで、それまでの人生を省み、一日一日を大切に生きようと考えたとのこと。
そんな小林さんがおっしゃいます。
「いざがんを宣告されると冷静さを失ってしまうものです。
そこで健康なうちに『自分は不治のがんで、残された時間は短い』という状況を想像し、自らを追い込んでみてはどうでしょうか」と。
死について考えることは、自分が何を大切にしてどう生きるかということに繋がり、有意義ではないでしょうか。
※2013年8月17日付日経新聞夕刊「対決より病と共存を」より
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