そしたら僕は何を決心するんだろう?
果たしてそうした結論を選ぶだろうか?
 
「空は相変わらず青いな」
 
目の前には進化を遂げた新たなイノチが見える。
どいつもこいつも不思議そうに僕を覗き込む。
いや、もう慣れてしまった。僕にはどうすることもできない。
そういやもうすぐ女がやってくるんだ…。さっき交わしていた。
どうせ気持ち良くなれん!哀れな儀式だ。
見てみろ、現にアイツの目は釣り上がってるじゃないか!
…憂いを秘めた怪物。面倒見きれない…。
 
笑ってみる。
居心地の悪さを笑っているんだ。…わかるまい。
 
そう。幸い僕には翼がない。
変わりばえのないあの空を自由に飛ぶ事はできない。
仮にもし翼があれば、答えは明白だった。
 
明日の朝。僕は計画を遂行する。
しかし意志ってやつは意外とヤワなんだな…。

-2003年初稿-
 
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2003年10月10日、日本産最後の朱鷺(トキ)キンが亡くなった。
特にその死因が奇妙であり、見方によっては自殺とも取れるという…。
(無論それを立証する術はない…)
それがあまりに印象的だったので当時書き留めたメモ。
最近ヒナが生まれたとかでふと思い出して、、