ニーズ①~④までは、

健康管理の領域のニーズでしたが、

今回からADLと認知症領域に

なってきます。

健康管理では、医学的な側面が

強く出ますが、この領域では

より介護的な、そして生活にも

配慮していく必要がある領域です。

 

さて、ADLと認知症というものを

ひとつにくくって良いものか、

と言う人がいらっしゃるかもしれません。

ADLは身体的な部分であるいっぽう、

認知症は脳や精神の部分と深い関係が

あるものだからです。

 

結論から言うと、

ひとつにくくっても良いでしょう。

 

さっき、ADLと認知症の領域は

医学的側面も当然関係してくるものの、

より生活にも配慮していく必要がある、

と書きました。

2つはどちらも生活に非常に

密着したものであります。

 

脳梗塞や骨折などの

大きな病気を患って

その後遺症としてADLが低下

することはよく見られることです。

そのいっぽう、病気を患ったわけでもないのに

閉じこもりによって身体的に衰弱し、

ADLが低下する例も少なくありません。

 

これは、例えば

・定年を迎えてすることが無くなった

・近隣との関係が悪く、出歩くことが無い

・友人が亡くなり、外出する機会を失った

・子供たちが成人し、家事に手間をかけなくなった

・気ままなひとり暮らしでいつ起きても、寝てもよい

といったように、生活環境の変化が

生活不活発の状態を生み、

身体的に虚弱化して要介護化に至る、

ということになっています。

 

先ほどの例を認知症になる危険因子

ととらえても差し支えないでしょう。

 

ADL低下も認知症も病気を患っていなくても

生活状態によっては、なり得る可能性がある、

ということです。

 

ということは、一生懸命医療的なアプローチを

試みても改善しない可能性もあり、

医療的なアプローチとともに生活のあり方にも

同様の働きかけ(プラン)が必要になってくる

ということになります。

 

次回から、それぞれの要素を

詳しく見ていきます。