介護負担というと、

「どんな動作に負担かかかるか」

ということに関心がいきやすく、

それは「ニーズ⑧ 動作別介護負担」にて

詳細を解説しましたが、

介護負担のニーズには、

時間帯に関する負担にも

注意が必要です。

「ニーズはいくつある?」でも

言った通り、家の誰かが

介護が必要になると、

「今までの自分の生活」+「介護」

という生活になり、今までの時間と

同じように過ごせなくなるからです。

 

では、どの時間帯に介護が集中し、

どれだけ介護負担がかかるか、

ということですが、

それには介護者の背景を

アセスメントする必要があります。

具体的には、

「家事をどれだけしているか?」

「どんな仕事をしているか?」

「育児しなければいけないか?」

といったことを聞きます。

仕事や家事を引退している人

(要介護者の配偶者など)が

介護する場合、時間の制約に

縛られることはあまりないので

このニーズは該当しないこと

になります。

 

反対に子、子の配偶者が介護する場合、

家事、仕事、育児もあわせて

行っている場合も多いので

このニーズに注意が必要です。

 

では、どの時間帯に

介護負担が生じやすいかというと、

ひとつは起床時から朝食後まで。

例えば、保育園に子供を預けたことのある

人は、よく理解できるのではないでしょうか。

 

通常、朝は自分のことだけでも忙しいのに

さらに人の世話までしなければいけない

となると、その負担はかなりのものでしょう。

 

そして、もうひとつは深夜。

ふつう、休息をとるべき時間帯に

介護をするとなると…いうことです。

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要介護者自身の自立を目指す

「健康管理」と「ADL(認知症)」を

前回まで詳しく書きました。

今回からは要介護者と家族の

関係におけるニーズを書いていきます。

 

介護する側とされる側の関係において

介護する側に起こってくることが

「介護の負担」です。

 

身体介護については、

「3大介護」というものがあります。

日常生活動作の中で、

「入浴」・「排泄」・「食事」が

その3大介護と言われるものです。

 

この3つのうち、一番身体的に

大変な介護はなんでしょう。

 

それは「入浴」の介護です。

 

脳卒中で寝たきりになった人の

多くは、特殊浴槽という設備がないと

入浴はできないでしょう。

入浴と言えば、「浴槽に入る」と

いう文化がある日本人にとっては、

入浴は負担が大きい介護のひとつです。

介護サービスを使わなければ

清拭で済ませてしまうことも多いものです。

 

次に負担が大きいのは「排泄」です。

朝、起きたら布団まで濡れていた、

とか、

便まみれになって笑っている

なんて姿を見ると、

ボー然としてしまうとか、

怒りが湧き起ってくる

こともあるでしょう。

 

赤ちゃんの排泄物ならまだしも

成人した人の排泄物は

正直なところ、嫌なものです。

 

介護の業界では、

おむつ外し→排泄の自立に

取り組む施設も少なくありませんが、

せめて排便のほうは

自立したいところです。

 

最後は「食事」です。

食事は比較的最後まで

能力が残っている力です。

食事が食べられなくなると

お迎えが近い、と思ってよいでしょう。

 

食べる動作は自分でできても、

食形態(軟らかくするなど)の工夫に

手がかかる場合もあります。

 

「介護負担」にニーズがあるかどうか、

の判断は、この3大介護に

どれだけ手がかかるか、

ということを見ます。

 

そして、負担がストレスになっている

ようであれば、負担の大きい

「入浴」→「排泄」→「食事」の順に

負担をとるのがよいでしょう。

 

例えば、食事の負担については、

食事は他の家族の分と一緒に作る

であったり、栄養剤で補完する

という方法もあるわけですから、

サービスの優先順位としては

低い、と考えても良いでしょう。

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前回は、認知症の人を取り巻く環境

のことを書きましたが、いっぽうで

認知症の人自身の問題を書きます。

 

認知症の人自身のことだから、といって

脳の器質的なものは問いません。

問題にするのは、いかに「認知する力」

認知力を良い状態で発揮してもらうか、

ということです。

 

私たちが環境を正しく認知するためには、

「体調」を整えなければいけません。

 

たとえば、授業中に腹痛を起こしていれば

意識は自分のおなかに向かっていて、

先生の話をとても聞く状態ではなくなります。

 

寝不足でぼんやりしていれば、

大事なことを聞き逃してしまうでしょう。

 

認知症の人たちの、

普通では考えられない言動の数々を、

体調を整えることによって、すべて

解決できるわけではありませんが、

 

正常な認知力が100%だとして、

50%に低下してしまっている認知力を

体調と整えることによって5%でも10%でも、

引き上げておく、という考え方はありだと思います。

 

認知力を上げておくことで

次々と迫ってくる環境に対しての

認知力をうまく働かせるわけです。

 

 

 

認知力を低下させてしまう原因として、

竹内孝仁先生は、脱水・便秘・低栄養・急性期の病気

を上げています。

また、三好春樹先生はこれらに加えて、

発熱・慢性疾患の悪化・季節の変わり目・薬

を上げています。

 

少しとんちんかんな行動を見たとき、

すぐに(認知症が進んだかな?)と思わずに

認知力を低下させてしまう要因がないか、

アセスメントする必要があるわけです。

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