月の自転の証拠 月の秤動 | メタメタの日

 月は公転と同じ周期で自転していると考えるべきか(これが通常の説明で,私もそう考えていた),それとも自転していないと考えるべきか(コインの周りを1回転して元に戻るコインは外から見ると2回転することとの整合的説明から考えると),それは自転の定義(天文学の定義と算数の定義)の違いによるのか,という問題は,地元のプラネタリウムのある科学館に電話とFAXで問い合わせたところ,FAX付きで通常の説明が戻ってきた。
 科学館にリアルに質問に行く時間が取れず,あれこれ本やネットで調べて考えた。
 月だけでなく,太陽系のほとんどの衛星は月と同じように,公転周期と自転周期が同じということだった。では,土星の輪は自転しているというべきか公転しているというべきか? 天王星の自転軸はほぼ横倒しというが,では常に自転軸は太陽の方向を向いているのか(つまり,自転軸の向きは公転に連れて変わるのか? 地球の自転軸は公転面に対して常に同じ方向であるが)などと考えた。
 地球の自転の証拠は,フーコーの振り子などで証明される。では,月の自転を証明するものは何かあるのかと探ってみた。月の自転軸があり,公転面に対する垂線よりわずか傾いているという。そのため月の秤動が観察されるという。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A4%E5%8B%95
 これが,月の自転の証拠ということになろう。
 算数のコインの回転は円盤で考えていたし,月が地球に同一面を向けている説明も二次元の図で月を円で描いて説明している。しかし,月は球であり,月の自転軸は,地球の自転軸と同じように公転面に対して垂直ではなく(垂直なら円盤で説明しても可だったが),傾いていて,かつ公転しても常に天の同じ方向を指しているという。
 したがって,電子レンジのターンテーブル上の小皿の比喩は,コインなどの円盤に対しては有効であったが,自転軸が傾いた月に対しては有効ではなかったことになる。

 算数(コイン)と天文学(月や星)での「自転」の定義の違いは残るにしろ,月については定義の違いの問題ではなく,事実として自転していた。
 天文学について新たな疑問が出てきた(なぜ自転軸は天の同じ方向を指すのか,土星の輪の中の小衛星は,天王星の自転軸は,金星の自転と公転の向きはなぜ逆なのか,など)が,とりあえず今の結論はこうです。
 リアルかつヴァーチャルで応答してくださった方に感謝です。