ホントは怖い「崖の上のポニョ」(1/4) | 理恵ごのみ

ホントは怖い「崖の上のポニョ」(1/4)

 ここ数日、宮崎駿が何であんなポニョなんてツマラナイ映画を作ったのかなって、ずっと謎だったんです。
 それで、色々なシーンを思い返していたら、なんだかポニョの中に隠された、怖い世界が見えてきてしまいました。

 以下、ネタバレを含んでいるので、まだ見ていない方は注意ね。






 一番最初に注目したのが、ポニョの存在。
 フジモリという人間を捨てた亜人(人間のような姿をした生き物=ヒューマノイド)と、実体があるのかないのか、そして大きさまでも変わる母グランマンマーレ(確実に人間ではない)の間に生まれた子供が、ポニョです。
 見た目は可愛いけれど、どう考えたってまともな生き物ではありません。
 言い方は悪いかもしれないけれど、「オバケ」とか「モンスター」の類に思えてきてしまいました。

 これまでの宮崎作品には、沢山のモンスターが登場します。
 そしてそのモンスターと主人公が、現実世界と異世界で交流していくのがパターンになっています。

ナウシカ:風の谷と腐海、ナウシカと王蟲

ラピュタ:地上と天上(ラピュタ)、パズー&シータと機械兵

トトロ:現実世界とトトロ世界、さつき&めいとトトロ

魔女の宅急便:?(強引に考えれば、故郷と都会)

紅の豚:現実世界と過去の世界、多くの人間とポルコ・ロッソ

もののけ姫:アシタカの世界ともののけの世界、アシタカと乙事主

千と千尋:現実世界と神様の世界、千尋とハク

ハウル:ゴメン……見てません……


 こういう感じに照らし合わせてみると、

ポニョ:海が穏やかな世界と海に覆われた世界、ソウスケとポニョ

 っていう、いつもの現実世界と異世界の関係が見えてきます。
 そこで今回の異世界ってなんなんだろうと考えると、もちろん海に覆われた世界ですが、水上シーンには、あまりにも不思議なことが沢山あります。

不思議その1:
なぜ、世界がジュラ紀(だったっけ?)のような太古なのか?

不思議その2:
なぜ、大勢の人が大漁旗を掲げた船に乗って仲間を連れて進んでいるのに、ソウスケとポニョの小船を助けるわけでもなく、誘導することもなかったのか?

不思議その3:
しかも彼らが、なぜ「我々も後でそちら(老人ホーム「ひまわり」)に向かう」と言ったのか?

不思議その4:
ぽつんと現れた雰囲気が異なる小船の家族は、そもそも何者なのか?

不思議その5:
別れ際、ソウスケにロウソクを渡した理由は?

不思議その6:
泣きわめく赤ちゃんにポニョは駆け寄るが、両親はなぜ、水の上を走るポニョに驚くことがなかったのか?

不思議その7:
なぜ、暗いトンネル内で何もイベントが発生しなかったのか?

不思議その8:
ひまわりのメンバーとはぐれ、一人隠れていたトキさんまで、なぜ足が良くなっていたのか?

 長くなったので、次の記事に続きます。