銀灰色に輝く森_森といえばコロー | 西洋美術の楽しみ方_ルーブルの魔女からの伝言

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右に描かれた男性は、竪琴を掲げて、

 

頭には、葉っぱで出来た冠(月桂冠)を

乗せています。

 

 

ここだけでは、

 

芸術の神「アポロン」という可能性もあるのですが、

 

 

(オルフェウスはアポロンの息子なので、

 持ち物が似ています)

 

 

 

後ろ手に、女性の手を引いて歩いている場面設定から、

 

 

 

彼が「オルフェウス」で、

 

冥界から妻を連れて帰ってきたところだと

判断できます。

 

 

 

▼参考記事

モロー「オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘」

 

 

 

 

この作品では、

 

カミーユ・コローの真骨頂ともいうべき

美しい森の中が背景になっています。

 

 

 

 

 

 

 

カミーユ・コローは、19世紀フランスの画家です。

 

 

「森の風景と言ったら、コロー」というくらい、

こちら▼の作品も有名です。

 

 

「モルトフォンテーヌの思い出」1864年

 

 

 

こちらは、

神話のストーリーをテーマにしたものではなく、

風景画なのですが、

 

実際の風景を描写した、現実の世界ではなく、

理想を掲げて作り上げた、想像上の風景です。

 

 

 

この頃のフランス画壇は、

古典主義的絵画から近代絵画へ移る過渡期でした。

 

 

コローのこの作品は、現実を描写する「写実主義」や、

「バルビゾン派」とは一線を画しますが、

 

かと言って、「ロマン主義」と言い切れるかというと、

それもちょっと違うような、微妙な位置にあります。

 

 

コローは、コローでしかない、という感じ・・・

 

 

 

 

そもそも、「〜〜主義」というカテゴライズは、

 

美術史の流れを把握するための

便宜上の枠組みであって、

 

 

画家ひとりにフォーカスすると、

どこにも入らない、

 

 

あるいは、逆に、

 

いろいろなところに入る画家も

大勢出てきます。

 

 

 

ルーヴル美術館 コローの展示室

 

 

 

コローの「銀灰色」と呼ばれる、

霞がかかったような幻想的な森の描写は、

 

 

それが現実か、虚構かといった問いを

忘れさせるほどの、魅力に包まれています。

 

 

 

 

「〜〜主義」や「〜〜派」という知識の補助が、

鑑賞を助けてくれることも、よくありますが、

 

 

コローの作品に対峙する時、

 

用語から解き放たれることの必要性も

感じることになるのです。

 

 

 

 

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