タナカミノルです。

「できるだけ絶対確実に給料分を稼ぐ方法」

というフレーズを聞いた時の反応別で見えてくる
それぞれのタイプの盲点について。

明晰な思考で
掘り下げてみます。


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■対立する2つの立場が見落としているもの
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「【絶対確実に稼ぐ方法】なんてないよ」
と決めつてしまいがちな人を、仮に
「勉強熱心だけどチャンスを待っているBさん」

いっぽう、

「【絶対確実に稼ぐ方法】が欲しい」と
探し求めている人を、仮に
「交換可能な一部品になる願望のあるAさん」

と呼ぶことにします。

AさんもBさんも
考える抽象度が違えば
どちらも正しく
どちらも間違っていると言えます。

けれども、

どちらかしか見えていない場合には
(どちらかでしか考えない場合には)

無意識がバランスをとろうとして
とんでもない愚かな行為に至ることもあります。



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■「交換可能な一部品になる願望のあるAさん」
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「絶対確実なノウハウを求める」

つまり、

もしほんとうに実在するのならば
(簡単であれば在るほど)
市場経済では誰もが求めて
次第に陳腐化してしまうものを
あえて望むということは

交換可能な
「大量生産の一部品になりたい」

という行動パターンです。

あまりに日常生活で劣等感や
恥辱感の痛みにさらされすぎるあまり、
それを避けるためなら

「いつでも交換可能な、部品になります!」

と、言っているようなものなのです。


人を責めたり
自分を責めたり
現実逃避して思考を停止する人にとっては

この選択は無理もないというか
そういった非人間的な方向に向かうのも
いたしかたない選択だとは思います。

日常の痛みを、
長期的な視点は捨てて
いますぐに解消するには

誰かを責めたり
現実を否定して妄想したほうが
一瞬だけでも忘れられるので楽だからです。


けれども、実際の人間は
「いつでも交換可能な部品でいい」

なんてことにそもそも納得できません。

このアンバランスは
実際にどのような弊害を生み出すのでしょう?



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■「交換可能な部品なんて嫌だ!」
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「劣等感」や「恥辱感」などの
関係性からくる痛みを避けるために

「誰でも簡単にできる確実なノウハウ」を求めて
大量生産の一部品になろうとしている人は

別の場面で

過剰に

「わたしは特別である」

ということを(無意識に)感じようと
一見すると愚かな行動を取ります。

「わたしは特別である」

ということを感じるためなら
ありとあらゆる愚かな方法に
手を出し始めます。

たとえば、

・自分より成果を出している人の
 言う情報どおりに行動したら
 「負け」を認めることだと感じて、素直に実行できない

・上手く行っている人の欠点や
 失敗を指摘することで引きずり下ろし
 自分が偉くなったと錯覚したい
(なにも結果は変わらないことにエネルギーを注ぐ)

・他人も「自分が特別である」と思いたがっている
 というふうに想定するので
 人の力を借りるのが怖い、もしくは卑屈になる。

などなど。

これは、

【自己重要感】に集中して
バランスを崩しているともいえます。



実際、わたしのメールマガジンの返信にも

「あなたよりも、わたしが優秀だ(賢い)」

という趣旨のメッセージをよく頂きます。

(いろいろな情報が盛り込まれてますが
 意図することをシンプルに表すとこうなります)



わたしは、

あなたよりも賢いとも思っていませんし
偉いとも思っていませんので

「ああ、そうですか」

としか思わないのですが

実際に長文を送ってくださる方が
結構な人はわたしに、

「あなたの方が特別です」

と言わせようと
説得してこられます。
(もちろん、アイデアとして参考になるので
 レスポンスいただけるのはありがたいですが)

ただし、わたしを説得するよりも
もっとシンプルな原則を犯さないようにするほうが
期待値は高まるはずなので

エネルギーを持て余しているんだな
という風に思います。

【自己重要感】に縛られすぎて
明晰な思考が失われがちな人

(1回1回のトレードで自分の評価が決まると
 思い込んで損切りが辛いと感じたり)

(なにかの実績やタイトルがなければ
 仲間に受け入れられないと感じたり
 すごい人の前で、過剰に気後れしてしまう)

こころあたりがあれば、
人生の重要なフォーカスが

「交換可能な部品になろうとする」

方向に注がれていないか
チェックしてみることを
おすすめします。



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■つづく
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あしたは、
「【絶対確実に稼ぐ方法】なんてないよ」
と条件反射で考えてしまうBさんも

押し込めている感情をバランスするために
似たように愚かな行動に走るリスクについて
おはなしします。

(つづく)




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きょうもありがとうございました!


           タナカミノル


●追伸

ご意見、ご感想をメールの返信でいただけると
今後の内容の参考になるのでありがたいです!









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~~内容おさらいの参考に~~
 ミステリー分析シリーズ
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(第1回)できるだけ絶対確実に給料分を稼ぐ方法
・「【絶対確実に稼ぐ方法】なんてない」という決めつけも危険
・2つのことに対立する意見があれば、何か見落としている前提がある
・「【絶対確実に稼ぐ方法】」を探している人の日常は痛みに満ちている
・なぜなら、交換可能な大量生産の部品になりたがるということだから
→ http://m2kt.net/kg16046/31101

(第2回)どちらも正しく、どちらも誤りである
・「絶対的な評価」は幻想で、実質、すべてが相対的評価である
・人には盲点があるので、焦点をコントロールすることは最重要
・「人を責める」「分かった気になる」と、
 焦点のコントロールを失い、なりゆきまかせで
 期待値が一気に下がる。
・抽象度を自由に行き来することで、選択肢に対して柔軟性が生まれる
・抽象度を自由に行き来することで、(失敗含む)すべての経験が糧になる
→ http://m2kt.net/kg16046/41101