前回の記事 逆子の症例 01
「逆子」で来院される場合、逆子体操でも改善せず、
ネットで調べて鍼灸にたどり着く方が多いようです。
当院では31週~35週での来院が多いです。
当院へ通院されたことのある方や、鍼灸が身近に
ある方の場合は、もう少し早く来られている印象です。
もちろん、早ければ早いほど「逆子」の改善する確率は
高くなります。お腹が大きくなるにつれて、胎児が動ける
スペースは限られてきますので、戻りにくい環境となって
しまいます。
鍼灸で逆子を改善できることは、もっと多くの妊婦さん
の耳に届けたいです。
【母体の安定】
Hさんからの紹介で来院されたNさん(31歳)。
お腹にいるのは3人目のお子さんです。
31週で来院されました。
Hさんの施術経験から意識したことは、母体を整えるという
こと。これは、私が勉強している活法研究会で学んだことです。
胎児よりも、まずはお母さんの身体に注目します。
お母さんの体の動きに調和がとれているか、肩甲骨や骨盤
の動きを中心にみていきます。そして、お腹の状態を確認。
胎児が逆子になっているのには、逆さになる理由が
あるわけです。その原因の多くは母体にあります。
原因が解消すれば、胎児は元の位置に戻っていくはずです。
母体を整えることが胎児を整えることになる。
私がすべきことは、胎児をクルッと回すための施術
ではなく、母体が安定するための施術です。
母体を整える→お腹を整える→子宮を整える
母体へのアプローチがお腹を整え、子宮を整えます。
この順番で作用することが大切であり、効率的でもあります。
【Nさんの場合】
Nさんの場合、自覚症状としての肩こりや腰痛などはありま
せんが、肩甲骨やおしりの筋肉に左右差のあるコリを発見
しました。
お腹の状態とも関連がありそうです。
お腹は、おへその右側に硬さがあります。
頭部かと思われる大きさです。
また、左の肋骨部分にも押すと不快に感じる
場所を発見。
施術ポイントが絞られました。
《初診(8/29)》
鍼:手三里(右)
お灸:膏コウ(左)
活法:肩甲骨の調整(左右) 梨状筋の調整(右)
大腰筋の調整(右)
初回は以上で終了。
《2診 (8/31)》
同様の施術を行う。
施術後、自宅にてママ友であるHさん(助産師)に
お腹をみてもらうと、「戻ってるよ!」と。
《3診 (9/4》)
腰に冷えを確認、お灸を追加する。
お灸:至陰(右)を追加
その他は同様に施術。
《4診 (9/7)》
先日の検診で、逆子は改善していると言われた。
念のため同様の施術を行う。
1週間後の検診で、そのままであれば安定する
だろうと伝え、今回で終了。
ここまでの経過から改善例としてブログで紹介
しようとしていたわけですが・・
検診の日にこちらから連絡すると
「逆子にもどってました(-_-;)」
との返事。
34週に入っているため、施術間隔も短くして
現在も施術中です。
思い通りにならないことも含めて、日々の臨床
に臨んでいます。また、その後の報告をします。
→逆子の症例 03
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