こんばんは、ココアこと田中貴子です。

昨日14日からロードショー公開になった、西川美和監督の映画「永い言い訳」を観ました。
 
直木賞候補にもなった西川さん自らの著書を映画化しています。
 
ひとくちで語れない深さを秘めた作品でした。
 
すぐには感想が出てこなかったけれど、少しずつ思い出しては味わう。
 
そんなタイプの映画です。
 
 
 
人は人の中で生かされていく。
 
ときにぶつかり、ときに誤魔化し、ときに優しさに触れ癒される。
 
それぞれ自分が生きる道しか知らないし、相手のことは推し量るしかない。
 
分かったつもりで、見て見ぬふりをしてしまう危うさもまたある。
 
それでも、何かしら心の深いところで、分かるような気がする瞬間もある。

本木雅弘さん演じる主人公の人気作家・津村啓は、何かを見ては客観視して言語化する才能には長けているが、自分の本当の感情と向き合うことをなかなかしない。
 
そのため、妻を不慮の事故で失ってからの日々もどこか淡々としていた。
 
こうすればいいだろうの計算上では、適切な対応はできるけれど、心の奥底は違う・・・。
 
それが同じ事故で亡くなった妻の友人の夫と出逢い、その子どもたちと触れ合うことで、虚しかったモノクロのような世界に、人としての温かみ~色が加わっていく。
 
子役の2人がこの映画に希望と温かさを放ってくれます。
 
好きな場面は、ちっちゃい娘の灯(あかり)を自転車に乗せて、坂をよろよろと駆け上がるシーン。
 
ゆっくりゆっくり人生の階段を上っていこうとするかのような後ろ姿がよかったです。
 
家族を描く是枝監督の作品より、女性ならではの容赦しない視線がシニカル。

でも、子どもたちの存在のおかげで、笑いを醸し出したり、緩みを持たせてくれた感じがしました。
 
夫婦連れだと男性側はちょっと気おくれしちゃうかも。
 
女同士で連れ立ってか、1人での鑑賞をオススメします。
 
読んで下さって、ありがとう。

 

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