OWS(オキュパイ・ウォールストリート);現場レポート/実体化したソーシャルメディア-1 | NY発!!読むラジオ-Megumi in New York

OWS(オキュパイ・ウォールストリート);現場レポート/実体化したソーシャルメディア-1

「Occupy Wall Street(オキュパイ・ウォールストリート);現場レポート
実体化したソーシャルメディアはアメリカを変えるか?」

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Occupy Wall Street(オキュパイ・ウォールストリート=ウォールストリートを占拠せよ、縮めてOWS)の抗議行動がついに4週目に突入した。

既にアメリカ国内の200もの都市、そして世界中にその動きが波及を始めている。
一方では「いったい彼らが何を意図しているのかよくわからない」という批判も少なくなかった。
しかし8日(土)に開催された集会(彼らは総会と呼んでいる)に参加してみて、彼らの意図するところがだんだんと見えて来たのである。

現在ウォールストリートの証券取引所の裏にある公園、ズコッティパークを本拠地にして、およそ250人がキャンプ生活を続けている。9/24にはデモ行進中の参加者に警官が催涙スプレーを浴びせる様子がYOUTUBEにアップされ大きな話題になった。 そしてちょうど1週間前の10/1はブルックリンブリッジで車道をふさいだ参加者800人近くが逮捕されたことも大きく報道された。しかしそれだけではない。警官が介入し騒ぎにならなければマスメディアには報道されないが、実はその間にも公園前のリバティスクエア周辺では毎日のように集会が繰り返されていたのだ。その動きは教職員組合などの労働組合の参加でますます大きくなっている。

そして8日土曜日、秋晴れの高い青空の下、ウォールストリートを午後1時にスタートしたデモは、およそ4キロ離れたワシントンスクエアパークに到着。午後3時すぎには群衆は数千人にふくれあがっていた。
ワシントンスクエアのまわりはニューヨーク大学などの大学が多いエリアで、この公園はかつてベトナム戦争の反戦運動の中心地でもあった。

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その中央広場で、輪の中心に近い人々は地面に座りこみ、その周りに何重にも群衆が取り囲む。手作りのプラカードを持った人もいる。若者が圧倒的だが年配の男女もいる。小さな子どもや赤ちゃんをつれた夫婦もいる。一見抗議行動にはとても見えない雰囲気だ。人々の輪の中心にカメラや取材マイクが集まっているから、そこに主催者がいるとわかる。
この「OCCUPY WALL STREET」とは何たるかを主要メンバーが説明する。しかしスピーカーもマイクも違法になるから使えない。肉声である。しかし彼の言うフレーズをすぐまわりの人々が大声で繰り返し、それを外側の人々がリピートして、まるでエコーのように広がっていく、ヒューマンスピーカーなのだ。


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まずこの人の集まりは「総会」であるという事が伝えられる。彼らは毎日のようにこの「総会」と「フォーラム」「勉強会」を繰り返しているのだ。
そしてメッセージが続く。
「アメリカの99%である我々の意図のひとつは、経済、政治エリートたちに、今の混乱を作り出した責任がある事を、世の中に知らせる事である。」
アメリカではトップの1%が富の3割を独占し、残りの99%が7割を分け合っている、という実態を、彼らは富の分配の不公平の象徴としているのだ。


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「それはわかるが、一体具体的に何を求めて抗議行動しているのか、目的がよくわからない」という批判も多い。中には、「ヒマな学生や失業者が他にやることがないからやっているのだろう?」と皮肉る声もある。

実は、よくわからなくて当然なのだ。
なぜなら、何をするかは「これからみんなで決める」からである。

はぐらかしているわけではなく、これは本当だ。

集会に参加していた若いビジネスマンのスティーブさんは、こう語ってくれた。
「このムーブメントはまだはっきりした要求をかかげていないのは、まだ形成段階だからだよ。時が来たら様々な意見から最も重要なものを選び出していくだろう。」

つまり、今行われている一連の動きは「プロセス」なのだ。
参加者がそれぞれ少しずつ違う理由で活動に加わっている。ある学生は高すぎる学費と借金(学生ローン)が問題だと言う。またお医者さんのグループは、医療費と保険の問題をかかげている。

今はできるだけお互いの現状を知り、学び、教え合う、それが最大の目標だと言う。(PART2に続く)


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