皆様、こんにちは。
先日、東洋医学の理論に則った鍼灸治療についてのお話をさせて頂きました。
この理論の中で最も重要になるのが、経絡経穴という気の流れるルートとそのポイントになるわけですが、こちらは実際、目に見えないものが「ある」という前提のもとに存在しています。
もちろん、多くの先人たちの経験に基づいた知識の集約のもとにできた理論なわけで、特に理解を深めずにそのまま使っても効果が出ます。
しかし、この経絡経穴による治療効果を最大限に引き出すには、治療師自身がどれだけこの目に見えない経絡経穴がリアリティをもって「存在」しているかが重要になってきます。
このリアリティは、単に本で勉強しただけでは決して生まれるものではなく、経絡経穴の理論に則った治療を何度も重ねる中で、実際に「ある」と確信できる、体験を通じたリアリティです。
これが鮮明であればあるほど、たとえ一本の鍼でも大病を癒すほどの効果を出すことができます。
このリアリティを深めていく過程が、鍼灸師の進歩の道のりではないかと思っています。目に見えない存在を体験を通じて信じていく道。だからこそ、一朝一夕には他の人と共有できない世界。鍼灸がメジャーになりえないのは、こうした性質も一つの要因と思います。
しかし、それぞれの先生がリアリティをもって東洋医学の理論を身につけ、実際に効果を挙げていったならば、それは東洋医学を知らない方々にも受け入れられていくことにつながると思います。
理解しがたい東洋医学、経絡経穴へのリアリティを帯びた探求を諦めることなく、深めていきたいと思っております。
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