仙川の居酒屋「メネフネ」のコンセプトの1つは「読書の場としての居酒屋」。
読書は場所を選ぶものです。
私は喫茶店で読書するのが好きで、コーヒーにケーキ、それに書籍という組み合わせは至福の休日を意味します。
しかし、酒に肴、それに本というアイディアは、今までの私にはまったくないものでした。私は1人で呑むことがほとんど皆無といってよいので、基本的には酒は会話とともに楽しむものと思い込んでいたわけです。
飲酒と読書、というのは、酒も本もよほど好きな人にしか浮かばぬ考えじゃなかろうか?でも別に不自然なものではありません。たとえば、アジア史上もっとも愛される酒好きである唐の詩人・李白なら、日常的にそうしていたかもしれません。それこそ、カップからコーヒーを口に運ぶように、片手に書物、もう一方に杯だったかもしれない。
仙川という、これまた多摩地域でも最も雰囲気のある街の1つにあります。南口から商店街を抜け、桐朋女子中学・高校の交差点を渡ったところ。建物の2階にあり、目立つ看板は出ていないので、あれ、この店か?と最初は迷います。
今回は旧い友人と2人の久々の呑み会。料理を選ぶのに会話を途切れさせたくないので、おまかせで。
店主が一人で営んでおり、料理を運んでくるたびにそれについて説明してくださいます。
フランス郷土料理の技術がベースにあるそうです。日々店頭でたまたま出会った食材を集め、それに応じた料理を作る。ゆえにメニューは即興的。
内装も店主の手作りだそうです。ということは細部に至るまでこだわりが織り込まれているということです。機会を見つけてそのあたりもきちんと見てみたいと思いました。大きく開いた窓からは、季節によっては一面の桜が見られるそうです。
最後に、何か甘いものはないかとメニューを見ずに店主にお願いしたのですが、少し考えて、アイスクリームなら少しある、と言って持ってきてくださいました。
2人でいろいろな酒を3杯ずつ飲んで(私は日本酒、黒エビス、ウィスキーダブルロック)、合わせて6,500円。コストパフォーマンスも抜群。
3時間ほど滞在していましたが、やや年配のご夫婦、若いカップル、1人客の女性が3人、男性が1人。どの方々にも利用しやすい店だと思いました。
今度はこの店で読むのにふさわしい本を見つけて、1人で来てみようと思います。
居食酒 メネフネ (居酒屋 / 仙川駅、つつじケ丘駅)
夜総合点★★★★★ 5.0