神経内科疾患〜平山病〜 | 理学療法士~physical therapist~HIROのブログ

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日々臨床現場に立ち、大学院で研究活動に励む理学療法士(physical therapist)が関節外科やスポーツ医学、リハビリテーションについて最新の技術や報告などを紹介していきます。このBlogからソーシャルネットワークが広がれば良いなと思っています。

こんにちわ!!

本日は最近の外来において非常に珍し疾患をお持ちの患者さんがこられたので、その疾患を紹介いたします。

平山病という疾患です。1959年に平山病が世界で初めて発見、報告された翌年に診断された患者様です。
当時は、疾患自体もまだ分からないことだらけ。。。よってリハビリなんて全くやっていなかったようです。
平山病について調べましたの掲載いたします。


平山病 (若年性一側性上肢筋萎縮症juvenile unilateral muscular atrophy)


概要
 1959年に平山氏により報告された。それ以前はALSとの鑑別が困難であった。現在は1959年以降は平山病Hirayama diseaseの名称が世界的に定着している。20歳前後の男性に多く、通常一側性に上肢の手内在筋、前腕屈伸筋群や同部位の感覚が障害される。病態の進行は数年で停止するとされている。


臨床徴候
 1)前腕以下の遠位に筋脱力と委縮を認める。
 2)若年(10~20歳代)に主に発症する。
 3)一側性または一側優位であるものが多い。
 4)潜行性に発症し、初め進行性であるが、数年後には停止する。
 5)寒冷時に手がかじかみやすくなります。
 6)指を伸展時に細かい不規則な震えが認められる。
 7)原則として著しい感覚障害や腱反射異常、下肢の障害は認められない。
 8)他の疾患(脊髄空洞症、脊髄腫瘍、後縦靱帯骨化症、頸部脊椎症、ALS等)が除外される。


病態機序
 頸椎屈曲時に下部頸髄(C7,8)の扁平化と硬膜後壁の前方移動が指摘されており、その所見は発病後、経過年数と逆相関して減少するとされており、この説が有力。つまり、下部頸椎レベルの硬膜の硬化により、頸椎屈曲時に硬化した硬膜が伸展せずに前方移動することで頚髄が頸椎との間で圧迫され、麻痺がおこるとされている。一側性の原因としては頸椎屈曲時に、下部頸椎が軸回旋するのではないかとされている。初剖検例ではC7,8中心に大・小の前角細胞の萎縮・変性が見られた。


所見
 画像所見ではMRIにおいて、頚髄屈曲時に下部頚髄の前方移動・扁平化、硬膜の前方移動が認められる。運動誘発電位では潜時の延長、振幅の減少、波形変化が報告されており、頸椎屈曲時にはより顕著となる。筋電図では神経原性所見が見られる。


理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-平山病MRI



治療
 早期発見が重要であり、放置すれば手の症状の進行が進む。治療方法としては保存療法と稀に外科的な治療が施されている。
 1)頸椎カラー
  持続的な頸椎屈曲により頚髄が圧迫を受け、前角細胞の減少・変性が起こることから、屈曲を制限するカラーが用いられる。

 2)リハビリテーション
  リハビリに言及した文献やリハ専門の書籍が現状では見当たりません。しかし症状が停止し数十年経過した例では委縮の改善を報告する文献が存在したことから、麻痺筋のリハビリテーションは有効と判断できなくもない。


私の専門領域以外の疾患ですので正直戸惑いがありました。。。
しかし患者さんにはそんなことは関係ありません。少しでもよくしなくてはならないのが私たちの仕事です。専門じゃありません!なんてことは通用しません。
いつでも広角的に見れるセラピストを心がけます。

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