コメント頂きました!

「こんにちは。私も低リスクのMDSと診断され、3ヶ月置きに検査のみの経過観察中なのですが、やはり好中球が200を切ってる状態でなにも治療をしないのはおかしいのでしょうか?」

 

そうですね、状況によります。

私が「骨髄異形成症候群と診断されたら」見て下さいね。の時に取り上げた方は、好中球が200を切って、芽球は16%、CRPが4以上で、既に感染を起こしかけていましたので、相当危険な状態だったと思います。実際、セカンド・オピニオンでいらして、緊急に入院したその夜から高熱を発しましたので。

 

以前、セカンド・オピニオンにいらした方で、好中球がかなり少ない状態を長い間続けていた方がいらっしゃいました。この方は芽球はそれほど多くはなかったのですが、好中球は100を切っていました。しかも骨髄に分化した細胞があまりないため、多分フィルグラスチムが効を奏する可能性も低いと思われました。すぐに治療をお勧めしましたが、好中球減少は自覚症状が少ないこともあって、一回目の感染症を起こしてもなお、免疫を高めれば……なんて気になってしまうらしいですね。私たちには治療を強制することはできませんが。それでも入院して治療する意を決めて、日にちも部屋も予約されて、その前にもう一度沖縄に行ってきますとおっしゃって……。結局連絡がなく、どうされたかたと気をもんでいただところ、別のセカンド・オピニオン後転院された患者さんからお亡くなりになったと聞きました。

返す返すも悔しいけれど、それでも強制することはできませんからねえ!!!でもとっても悔しいです。沖縄に行くのを止めればよかったのか……、それともやはりそれはそれでご本人の意志なので、最大限尊重すべきなのか?????????

ただ、ご本人にどれほど、危険性が分かっていたのか??結構、長いことそのまま推移していたので、どうしても楽観視してしまったのか…。分かりません……。

 

好中球減少は感染を起こすまで見過ごされがちです。そしていったん感染を起こすと死に至る危険があり、実際に多くの方が亡くなっています。

 

一方で緒方先生のもとできちんと適切に観察と指導を受けて、好中球は常に100前後(週に2回フィルグラスチムを打っても)、そして週1回の輸血で、芽球は23%を超えていますが(つまり白血化していますが)、そんな状況になってすでに3年以上も仕事を続けていらっしゃる方もいますよ。2ヶ月まえに、お酒をちょっと過ごして飲む機会があって、好中球がさらに減少、感染症を起こして2週間近くかなり辛い(本人的には)入院生活をしたので、その後はさらに厳重にご自分で注意されていますが。現在も体調は低値安定で、仕事は順調だそうです。

 

経過観察か、治療開始か、この判断はドクターの知識と経験に左右されます。治療を開始する必要もないのに、治療したり、支持療法で十分なのに化学療法や移植をしたりする一方で、すぐに治療を開始しなければならないのに、移植を勧めるのに気をとられて治療をしなかったり、クリスマスや年末年始だから後にしましょうと後回しにして、感染症になったり…、まあ、いろいろですがねえ。

 

いずれにせよ、骨髄異形成症候群は本当に一人一人違います。結局、ドクターの知識と経験が患者さんの予後を決めると言っても過言ではないでしょう。