裁判に電話参加~変な宗教~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

歓迎!
家裁での調停・審判を電話やテレヴィヂョン会議でできるようになります!
19日の衆院で可決しました。
ということで豆知識的クイズ。

Q1 裁判って,欠席したらどうなるの?
Q2 裁判所に行かなくても「出席」する方法は?

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Q1 裁判って,欠席したらどうなるの?
A1 状況によって違いますが,終わる方向性,になります。
細かいルールを列挙するとマニアックになってしまいます。司法試験の問題がそんな感じです。
受験生の方が詳しいはず・・・ですが,最近はそうではないようです・・・
これは別の話し。
簡略化していきます!
当事者双方が欠席したら訴えの取下げとなってしまうことがあります。
「やる気なし」とみなされるのですね。
弁護士でもやってしまう人が居てるんですよ!

片方が欠席した場合は。
第1回期日でよくあるんです,実は。
訴状が届いてびっくりした被告さんは,急いで弁護士に依頼します。
訴状と一緒に「期日呼出状」というお役所チックなカミが付いています。
当然,「第1回期日」が記載されています。
引き受けた弁護士は日程が合わないことがあります。出席できません。
そこで編み出されたのが,「擬制陳述」!(民事訴訟法158条)
事前に反論を書いたカミ(答弁書とか言います)を提出しておけば,期日当日は出席しなくても,「しゃべったことにしてくれる」ということなんです。
子供の草野球で言う「透明」です。(却って分かりにくいかも)
これは救済措置なので,第1回限定です。
ちなみに,期日が延期(変更)された場合も「第1回」として欠席OKか,では,控訴審は「第1回」として欠席OKか,ということを最高裁まで争った例がむかーしありました。昭和25年10月31日最高裁。
「欠席OKかどうか」をそんな延々と議論するよりも・・・早く本題に入ろうよ・・・
と,依頼者は思っていたと思います。

ということで,第2回以降はこの「擬制陳述」は使えません。
出席しないと主張できない→不利になる,ということです。
まー,依頼を受けた弁護士は意味なく欠席しないでしょうけど。

しかし!
簡易裁判所では第2回以降も「擬制陳述」可能です(民事訴訟法277条)。
「簡易」だからだって。

では,次に「出席」するとしても,「お茶の間出席」を考えましょう。NOVAは倒産しましたが。
倒産直前に中途解約の返金請求権の裁判例を残して。

Q2 裁判所に行かなくても「出席」する方法は?
A2 電話・テレヴィヂョンで参加できます。

法廷,つまり傍聴席があるあのタイプは電話参加はダメです。
弁論準備手続き(ベンジュン)という非公開・小部屋,で行うものはOKです。
実はほとんどの期日が法廷ではなく弁論準備です。第1回は必ず法廷ですが。
法廷でなければ。片方が裁判所に行けば,もう片方は電話で参加することが可能です。
設備状況からテレヴィヂョンはほっとんど使われていません。
ただし!
これは「訴訟」だけにしか適用がないルールでした。
ところが,19日に可決成立した法律により,家庭裁判所の調停・審判でも使えるようになることになりました!
離婚関係だと,夫婦のどっちかが実家に戻って別居状態,というのが多いです。
実家が近ければ良いですが,とーーーくに離れているケースもよくあります。
その場合に,とても便利になりますね。
だって,リアル出席だとすると,片方が毎回出張する必要があります。
弁護士が移動する場合,依頼者が交通費なり日当を負担することにつながります。
電話参加可能なら,ここらへんの負担がふっとびますね!

発展編!
双方とも電話参加できたら便利ですよね!
しかし,これは現時点の法律上NGです!
でもやったことありますよ。
これは裁判官の粋な計らいで,「調書上は双方欠席で次回期日指定にしておく。双方の意見だけ電話で聞いたことにする」とやってくれました。
「調書上記録にすると,書記官に怒られちゃうんで!」とコミカルに説明されていました。

実は多くの裁判は,書面がメインで,事前に書面をFAXや郵便で送っておいて,期日当日は,次回どちらがどんな内容の書面を出すのか,要は「スケジュールを決める」がほとんどなのです。
ですから,電話でトークするのが丁度良いのです。
「裁判は参加することに意義があるわけではない。スポーツではないんです!」と言った弁護士がいたとかいないとか。
紛争解決を迅速に進める制度は大歓迎です。

オマケ的。
「電話で参加」とは。
ひらべったいスピーカフォンが裁判所に導入されています。
ポリコム製が多いような感覚です。毎回気になってチェックしてしまうのです。
特ダネ!
以前,裁判所計画停電をくらった時間帯に,電話参加,がありました。
私は裁判所に出席して,相手方代理人が事務所から電話参加だったのです。
私は聞きました,裁判官に。「電話会議できるんですか」
裁判官「大丈夫です!これ(携帯電話)が使えるらしいんです!」
ということで,携帯電話を机の上に置いて,スピーカー通話にして,会話しました。
裁判官と私で,発言するときは机の上に覆いかぶさるようにして携帯に向かって話しかけました。
外から見たら変な宗教に写っていたことでしょう・・・

まだネタは尽きないですが,それはまた別の話し。

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