「間口」が狭いのですが・・・建築確認は大丈夫でしょうか。
誤解ありがち度 4(5段階)
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A エリアによって一定の規制があるはずです。
民事上の権利関係は,建築確認とストレートにはリンクしません。
【旗竿地,路地状敷地,敷地延長】
所有している土地に住居を建築する予定です。
公道からの「間口」は細長い土地です。
市役所に相談しましたが「位置指定道路」にしてくれませんでした。
建物は建てられるのでしょうか。
→接道義務はクリアしています。ただし,旗竿地(路地状敷地,敷地延長)として一定の建築制限があります。
要は,所有している土地の一部が公道に接しているということですから,この部分が接道義務の基準をクリアしていればこれ自体は問題ありません。
ただし,間口からメイン部分までが細長い土地,という場合は,特殊な扱いがあります。
つまり,居宅部分へのアクセスが悪いので,防災の面から,一定の考慮が必要とされるのです。
地区によって具体的な規制・ルールは異なります。
<名称のまとめ>
・路地状部分
間口となっている,細長い通路状の部分
・有効宅地部分
奥まっている,建物を建築するメインの部分
・旗竿地,路地状敷地,敷地延長
路地状部分+有効宅地部分の土地全体
【路地状部分が共有の場合の利用権限】
路地状部分がお隣さんとの共有になっています。
建物を建て替える際にお隣さんの承諾・ハンコが必要なのでしょうか。
→「共有物の使用方法」として共有者の了解を取るべきです。
路地状部分が共有となっている場合は,ここを通行することは「共有物の使用方法」として,共有者間で決定すべきです。
民法上,書面にすることが義務付けられているわけではありません。
しかし,長期間にわたる約束ごとです。
書面に調印して記録化しておくとベストです。
【建築確認申請における承諾書】
路地状部分について,共有者であるお隣さんは口頭で承諾してくれています。
建て替える前から使っているので快く承諾してくれています。
ただ,ハンコは押さない,とおっしゃっています。
建築確認は通らないのでしょうか。
→建築確認申請を「不適合」とすることは違法です。
理論的に,建築確認申請で審査する対象は物理的な建築物の位置・形状・公的規制です。
民事的な「使用権限・権利」ではありません。
そこで,仮に「使用権限」についての資料が提出されなかったという理由で「不適合処分」とすることは違法とされています(津地方裁判所/平成14年(行ウ)第10号)。
[津地方裁判所/平成14年(行ウ)第10号]
建築基準法(改正前。以下同じ。)6条1項に規定するいわゆる建築確認は,申請に係る建築物の計画が当該建築物の敷地,構造及び建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築関係規定」という。)に適合していることを公権的に確認する行為であり,申請書を受理した建築主事は,申請に係る建築物の計画が建築関係規定に適合しているか否かを審査すべきものとされている(同法6条3項)。
2 ところで,①建築確認は申請人が当該申請にかかる建築物の敷地を使用し得る私法上の権利を有するかどうかとは無関係に行われるものであり,建築主事の審査すべき対象事項の中には,建築予定地たる申請敷地に対して当該建築主が真実所有権や賃借権等の実体上の使用権を有しているか否かは含まれていないから,建築主事は,ただ,申請敷地が存在するか否か,公道が存在するか否か,申請敷地が接道義務を満たしているか否か等の外形的事項について審査すれば足り,申請敷地の使用権の有無まで審査する義務や権限はないと解せられること,②そもそも,建築確認がなされたからといって当該建築主にその申請敷地に対する実体上の使用権が発生するわけではないこと,③そして,建築関係規定中には,ある土地をある建物の敷地とする建築確認がなされた場合に,後にその敷地の一部を他の建物の申請敷地とする建築確認申請(敷地の重複申請)及び上記のような申請に対する建築確認(敷地の重複確認)を直接禁止する規定がないこと,以上の点を考慮すると,建築主事は,当該建築確認申請が敷地の重複申請に当たるか否かまで審査する義務はなく,また,たとえ何らかの事情により当該申請が敷地の重複申請に当たることを知ったとしても,そのことについて行政指導をするかどうかはともかく,最終的にはこれを考慮することなく,当該申請に係る建築物の計画が建築関係規定に適合するかどうかを審査すれば足り,当該申請が敷地の重複申請であることを理由に不適合処分をすることは許されないものと解するのが相当である。(略)
この点,被告は被告の主張(1)のとおり主張しているところ,なるほど建築基準法施行令1条1号は,敷地につき「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」と定義して,「一建物,一敷地の原則」を定めており,この規定によれば,建築基準法は同一敷地を異なる建築物が重複して使用し,既存の建築物の違法化を招くことを容認しない建前を一応とっているとはいい得る。しかし,この規定は,直接には個々の建築物について独自の敷地が成立するという原則を規定したもので,敷地相互間の関係について規定したものではないこと,現行法上建物とその敷地との関係を公示する制度はなく,建築確認の申請書の保存期間等についても何らの規定も設けられていないこと,土地の利用関係に関する私人間の紛争は最終的には民事裁判によって確定されるべきものであることからして,この規定をもって,敷地を二重使用することとなる建築確認が重複的に行われることが許容されないとするまでの根拠とすることはできない。
【承諾書がない場合の建築確認申請】
路地状部分について,共有者のハンコがない場合でも建築確認申請は通るのでしょうか。
→実際には,共有者の承諾を示す資料が要求されることもあります。仮に建築確認申請が通っても,行政指導を受けることはあり得ます。
建築確認申請において,民事的な土地の権利関係,利用権限は審査対象外です。
しかし,実際には,地区によっては,申請書類として,登記事項証明書や土地使用承諾書が要求されることもあります。
これらの資料が提出されない場合,ストレートに「不適合」とすることはできません。
理論的には,他の部分で問題なければ,適合とされます。
ただし,現実に利用権限を欠いているような場合は「行政指導」がなされることはあり得ましょう。
また,そのような場合は,共有者その他の権利者から,使用差止や損害賠償などの請求を受けることは言うまでもありません。
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