運行供用者責任と自動車ローン(所有権留保) | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

運行供用者責任というのをご存じでしょうか。
ウンコウキョウヨウ・・・
法律はこういうのが好きなようです。
難しいですね。

失礼しました,申し遅れました。みずほ中央法律事務所の三平です。
みなさんこんばんは。
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話しは戻って。
運行供用者責任というのは,ある自動車を実際に使って利益を上げている人が,その自動車での事故が発生したら責任(損害賠償)を負う,というルールです。おーーーざっぱに言えば(というか典型例が)所有者です。
これが特殊なのです。一瞬普通の話しと思ってしまうかもしれませんが。
あくまでも普通は自動車を「運転した人」,もっと分かりやすく言えば「車の運転をミスった人」が責任を負うのです。
「利益を上げている人」「使っている人」,所有者,はミスをしたわけでもないので,責任は発生しないのが原則なんです。
しかし,自動車は元々危険なんで,所有者は誰に運転させるかに責任を持ちなさい,という(一般の法律の世界では)非常に特殊なルールなのです。この特殊なルールに「運行供用者責任」と名づけるとはまたネーミングセンスの悪い(?)ことですね。

さて。
所有者には何種類かあります。なんと!
自動車ローン使って車を買った場合,車検証の所有者欄に「トヨタ・・・」とか,ディーラーの名称が記載されていることがよくあります。
この場合,ディーラーも所有者なんだから事故った場合の責任を負うのでしょうか。杓子定規にそのような主張をして,裁判所が判断した例があります。
昭和46年1月26日最高裁判決です。
結論は,責任を負わない,です。ただし,と言って,例外的な場合を挙げていますが,ホントに極限的な場合です。
当然と言えば当然ですね。責任を負うとしたら,自動車ローンとしてお金を貸した側は所有者欄に名前を載せると危険(責任を負う)し,かといって載せないと,買主が無断で自動車を売っちゃえる状態になりますから。

今回はちょっと難しい用語(内容も)の話しでした。


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