バス停とおばあちゃんと梅の花 | ☆みかっちの「しあわせ感性を高める♡」ブログ☆

☆みかっちの「しあわせ感性を高める♡」ブログ☆

人生のどんなシーンをも、十分乗り越えられる生命力。
あなたには備わっている!
生命力こそがすべての難問解決の秘訣♡

打ち合わせが終わり、ほっと一息で座ったバス停のベンチ。
「バス、まだまだきませんか?」
ふりかえると、品の良いおばあちゃんが大きなお花を抱えて
ニコニコと立っていました。

「まだ、あと10分はありますね~。」
そう言いながら缶コーヒーで手を温める私。

ベンチの横に立ったままで、おばあちゃんは
なぜだかくすっと吹き出しました。

「実はね、お友達のおうちにお邪魔したのだけど
 もう、話がつきなくて!
 最初はね、8分に乗って帰るって言ったのよ。
 それが、18分、28分…そしてこんな時間になっちゃった。」

「私もそんな感じで、今まで長引いちゃいました!」

「あらあ~偶然! 仲間がいてよかった(笑)」

昔は、五月丘から高いヒールをはいて駅まで出かけたことや
お孫さんが携帯でメールをチャカチャカすることや
帰りが遅いと、ご主人が心配してくれることが嬉しいことや
10分の間に、沢山のお話を聞かせてくれたおばあちゃん。

「お話するとどうして気持ちがすっきりするのかしら?」
「話すって“放す”という意味もあるみたいですよ。」
「なるほど~!だから空っぽになって
 また新しいエネルギーが満ちてくるのねえ!」

おばあちゃんが片手に抱えていたのは梅の花。
70年、この街を出たことがないという
この素敵なおばあちゃんのような上品な色と香りでした。


東風(こち)吹かば …

梅の花と言えば、この歌を思い出します。

東風吹かば にほひをこせよ 梅の花 
主なしとて 春を忘るな

菅原道真が好きだった庭の梅は、左遷された道真を慕い
はるばる大宰府まで 飛んできて根をおろしたといいます。

70年、しっかりとこの街で咲いてきたおばあちゃん。

梅は、桜とちがって咲き方も散り方もゆっくり…。

『高潔』『上品』『忍耐』『忠実』『独立』
そんな梅の花言葉もあるようです。

あたふたして、バタバタしてばかりの私のハートに
おばあちゃんの脇から覗く
その、静かで美しい梅の花の面持ちが眩しく映りました。

「梅の花のように」

不思議なたった10分の出会いで
大切なメッセージを頂いたような気がしました。

「おやすみなさい!」

バスから手を振るおばあちゃん。
また会えるでしょうか。