声優以外の人がアニメ映画の声やるのどう思う? ブログネタ:声優以外の人がアニメ映画の声やるのどう思う? 参加中
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久しぶりにブログネタ参加で、いきなり難しいテーマを選んでしまいました。

私は、できることなら声優以外のキャスティングは避けてほしいと思っています。


声の仕事をされている方々も、舞台とか音楽活動とか、声優として以外のお仕事もされているわけですから、声の仕事メインでない方々が逆にアニメや洋画の吹替えの仕事をするのを拒否するのは心が狭いのかもしれないけれど、でも、やっぱり何かイヤなんですよね。

なんかね、画面から声だけが浮いて聞こえてくるんですよ。
キャラクターの声として聞こえず、そのタレントさんなり俳優さんなりの声にしか聞こえない。
「そのキャラクターの声」として馴染んでいないの。
もちろん、いわゆる声優さんたちだって、私たちファンはお顔を存じあげていますし、日常の地声も耳にする機会は多いのですが、そういうのと関係なく、彼らはちゃんとそのキャラクターの声を聞かせてくれるんです。その差ってなんなんでしょうね。

声優さんの芝居って難しいと思うんですよ。
表情や体の動きには頼れない。まして、アニメの口パクや洋画の出演俳優さんの動きやセリフ回しに合わせてセリフを言わないとならない。自分の間での芝居ができるわけではない中で、そのキャラクターとしての役作りをしていかないとなりません。
それはやはり一朝一夕にできるものではないでしょうし、普通のお芝居ができることとはまた別の演技力が求められることだと思います。

・・・なんてことをつらつらと考えていた矢先に、タイムリーな記事に出会いました。

郷田ほづみさんによる“声優と音響監督から見たアニメーションの音響制作の現場” と
題した講演のレポートです。
その中で郷田さんが、私が感じていた上記の疑問に答えを出して下さっていました。以下、コピペします。



「演出するうえで気を付けていることは?」というお題。郷田氏は、「絵に負けないようにすることです」と語る。とくにアニメの場合、絵に誇張が加えられていることが多く、“絵のテンション”が全体的に高い。郷田氏は、「絵のテンションより芝居のテンションが低いと、本当にみすぼらしい感じに見えてしまうんです」と説明する。まして、ここまで何度か説明されてきた通り、収録の現場では絵ができていないケースが多い。そこで音響監督としては、できあがりの絵がどうなるのか確認を取りつつ、収録を進めるのだそうだ。ただ、「完パケを見て、話しが違うよ、ここはこういう絵だって言っていたじゃん! となることもありますが(苦笑)」(郷田氏)。

 なお郷田氏は、昨今の、集客や宣伝を目当てに、声優以外をキャスティングする作品が増えている風潮について、「そういう作品を見ると、やっぱり絵に負けているな、と感じます。お芝居ができない人ではないけど、これでは足りないな、と」(郷田氏)と語る。そして郷田氏は、そうした起用は、作品にとっても、起用されるタレントにとっても気の毒なことだという。


声優以外の方が声をあてるとキャラクターと声とに一体感がない、と私が感じていたのは、芝居が絵に負けている、ということだったのか、と目からウロコでした。
そして「自分の間」ではなくキャラクターの息遣いに合わせる、絵がない中でも演出家との共同作業でキャラクターを作り上げていく、というのはやはり普通の顔出しの演技とは違うノウハウがいるものだと実感します。

・・・そんなわけで、やはり私は声優以外の人が声をあてるのは、あまり賛成できないですね。
もちろん、成功例がないわけではないことはよくわかっていますが。
話題の人をゲストキャラなどに使って、公開アフレコをしてワイドショーで取り上げてもらったり、その人が出演するバラエティで宣伝してもらったり・・・というのが目的のキャスティングはさらに納得いかないですよ。
限られた予算の中で、そういう形で広告宣伝費をかけずに宣伝したいという気持ちはわかりますけど、作品としてのクオリティを犠牲にしてまですることか、と言いたくなる。

うちの娘はかなり熱い声優ファンですが、声優になりたい、と言ったことは一度もありません。
「憧れだけで軽々しく『なりたい』なんて言っていい仕事じゃない」
それは、小さい頃からプロの声優さんに直接会う機会がそこそこあった彼女が感じ取ったもので、声優さんへの限りないリスペクトが込められた言葉です。
だから彼女はアニメや吹替えは声優さんにやってほしい、と迷いなく言い切ります。
その点、私はまだ少し基準が緩いかもしれませんが、でも、できることなら声優さんによる製作を望んでいます。

玉木ファンの私が言うのもナンですが、「マダガスカル」だって、もし予告編を担当している声優さんたちによる本編の吹替えがあるのなら見てみたい、と思ってますからね。
置鮎龍太郎さんのアレックス、絶対いいだろうなあ、と思います。