わかりやすい仏教の著書が多数ある、ひろさちや氏の最新刊『終活なんておやめなさい』を拝読しました。

ひろ氏は、『「迷惑かけたくない」「立派な人だったと思われたい」と考えたとたんに、実は欲が出てしまうのが人間です。思うがままにならないものをしようとするから、苦しくなる。私たちは「終活」なんてしなくていい、いや、しないほうがいいのです。』と仰っています。

決して無責任な終活無用論ではなく、ひろ氏がこの著書で一番言いたかったことは、『終活などしなくてもいいように、いま、家族との関係を大切にしなさい』ということです。

相続対策についても、中途半端な遺言があるとかえって家族が揉めることもあるのは、ひろ氏の仰るとおりです。遺言の有無にかかわらず、それまでの家族のあり方、親の背中を子どもがどのように見てきたかが、如実に現れるのが相続です。

仏教徒でありながら『葬式も戒名もお墓もいらない』というのは、仏教の本質が本当に腹に落ちていて、仏教徒としての生き方・考え方ができている著者だからこそ言えることでしょう。

終活の本質に気づかせてくれる一冊です。

終活なんておやめなさい (青春新書プレイブックス)/ひろさちや

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