仕事で、健康関連の担当を指名された。

現状から課題の整理、打ち手などをひねり出す日々が続いている。

 

とかく硬くなりそうな分野。

なるべく柔らかく伝わりやすいものにしたい。

 

一物全体

完全無農薬

 

この特徴をいかに表現するか。

これまでに出したリーフレットや印刷物を片っ端から取り寄せてみる。

たしかにそこには伝えたい内容が載っているが、これで喋ろうという感じにならないのが正直なところ。

 

はたして、どうしたらこれをわかりやすく伝えられるのか。

考える日々が続いた。

健康MDの会議でプレゼンしているときに、ふと浮かんだ。

 

この説明をするんだったら、野菜持ってればいいんじゃん?

 

どの野菜が一番話やすいか。

ニンジンに決めた。

 

模型、売ってるだろ。

楽天で探して買った。

297えん。

 

次の健康MDの会議に持っていき、それを持って説明してみた。

メンバーのリアクションは・・

 

(クスクス)本気ですか?

 

ああ本気だとも。

大真面目だよ?ダメかな。

 

 

例えばこのニンジン、スーパーで売られている姿というのは、葉っぱのない状態。

しかもそれを買って、家に持って帰ると、ここを切って、ここを切って、さらに皮をむいて料理しますよね。

 

いったい誰がそんなこと決めたんですか。

農薬を使い、化学肥料を使った「人間」ですよ。

ニンジンさんはこれ全体でニンジンさんなんです。

 

ホントはニンジンの栄養分って、このフシの所に一番あるんです。

しかしそこは切られて売っている。

なぜか。

農薬がそこに一番たまりやすいから。

 

またこの、完全無農薬の野菜というのは、市場に流通しているうちの0.1%なんです。

つまり完全無農薬のニンジンは1000本に1本しかないんです。

まるごとニンジンを使って、栄養分をいただくには、完全無農薬じゃないとできない。

だからそれに取り組んでるんです。

 

みたいな?

 

 

このことを伝えるのに、ニンジン1本あればいい。

リーフレットで話すより全然わかりやすいし、きっかけにもなる。

 

メンバーもだんだん賛同してくれた。

次はこれをはやらせる段階。

 

会議なんかで社内を移動する際、胸ポケットに入れて歩くようにした。

主要なメンバーにも持ってもらうようにした。

 

全国から会社を訪れる、御一行様のツアーの最後にこの話をさせてもらうようにした。

そして帰り間際のバスに乗り込むときに1本、その社長渡すようにした。

 

 

少しずつだけど、ニンジンが出回り始めた。

何に使うのかを理解された形で。

これを広く伝えたい。

来年、全国の教育担当者が集まる会議で、大々的に打ちだすためには、今静かなムーブメントを起こしておく必要がある。

 

もう一度いう。

大真面目ですよ。