埼玉県産在来大豆もやしの試食販売会を昨日取引先産直店である、


ファームドゥ食の駅 籠原店


において催しました。


かつて大豆もやしの試食イベントは他のもやし会社でもそれなりにあったと思いますが、国産大豆・・・埼玉県産の在来大豆を6種類同時にもやしにしての試食販売はおそらく全国でも初の試みだと思います。


その割には、私の美的センスも影響して会場はいたってシンプルです(笑)。



まぼろしの「もやし」求めて・・・

長テーブルに予め湯がいておいた6種類の大豆もやしをタッパーにいれて並べ、各タッパーの蓋に大豆名の札


「行田在来」(行田市)


「借金なし}(秩父市)


「箕田在来」(鴻巣市)


「こさまめ」(深谷市明戸地区)


「花園在来」(深谷市花園)


「白光」(皆野町)


と、貼ります。


 その脇に原料(生大豆)の入った小瓶を置き、その後にディスプレイ用に育てた3種類の大豆もやし(左から行田在来、借金なし、箕田在来)をおきました。テーブルの隅には割り箸と紙皿、そして調味料(醤油、ごま油、ドレッシング)を並べました。


 販売用に用意した大豆もやしは約60袋。価格は「すべて150g入り78円」で統一しました。


 午前10時の試食販売の開始と共に、多くのお客様がいらっしゃいました・・が、中でももっとも興味を持って見てくださった人たちがいました。


 それはこの県産大豆の普及に関わってきた埼玉県大里郡農林振興センター、加須市農林振興センター、農林総合研究センターの方々、行田在来大豆もやしの普及を図る行田市からは農政課のM様、埼玉県庁からは農林部地産地消担当の方が、日曜だというのにみな私服でお越しになってくれました。そうそうたるメンバーが集まりました。この埼玉県産在来大豆もやしに大きな期待が寄せられていることがわかります。


 試食されたお客様は、一様にその豆の味の奥深さに驚きます。多くのお客様が6種類の豆の味の違いを楽しみます。


「わたしこの味が好きだな」


「これちょっときついかな」


「へえ~。みんな違うんだね」


そんな感想を漏らします。そして調理法を確認した上で、気に入ったもやしをお買い上げになります。78円をいう価格を高いとおっしゃった方は1人もいません。むしろ・・


「ええっ。78円?これが」


「お高いですか?」


「ううん。安いと思って」


といった会話があったくらいです(笑)。販売にも協力してくれた、お店の青果担当のIさんがしみじみ語ります。


「もやしで78円ていうと高く感じるけど、豆で78円て思うと安いと思いますよ」


・・・・・・・・・・


「ねえ。みんな豆が在来っていうけど、“在来の豆”てどういうのを言うの?」


 試食しながらあるお客様からこんなご質問を受けました。たまたま私の隣に加須市農林振興センターのA様がいらっしゃったので、質問をA様にふりました。A様は豆の専門家です。懇切丁寧にお客様に答えていました。


 飯塚商店は“たかが”もやしを育てて売るだけのもやし屋です。もやし屋は昔から農業でも、工業でもどちらともいえない微妙で、孤独な立場にありました。しかしこの埼玉県産在来大豆もやしに関しては孤独ではありません。たくさんの同じ方向性を志す人の繋がりが感じられます。


 全くあたらしいコンセプトの食品なのに、売れ行きも好調で、予定した数量では足らずに急きょディスプレイ用のもやしをお店で洗わせてもらって追加で商品を作り、その分も午後3時半には売り切ってしまいました。全部で100袋。このお店の通常のもやし(売価29円)の売上げが40袋なので、売価の差を鑑みても上々の成績といえます。


・・・・・・・・・・・・・・


「あとは広げるだけ・・・」


 この県産在来大豆もやしは、その味も含めて、非の打ち所のない(あえて言えばまだまだ原料の豆が少ない)正しい食品であると断言できます。私はもやし屋としてできる限り普及に努めますし、また今回この県産在来大豆もやしに関われたことを誇りに思うのです。


まぼろしの「もやし」求めて・・・
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