ひょうし:
解説・・・
も~やんの豆、ブラックマッペはケツルアズキともいいます。ミャンマーの他にもタイ産があり、一時期はタイのブラックマッペの質が高く飯塚商店でも好んで使っていました。
もんちゃんの豆、緑豆は英語名ではmung bean と呼ばれ、主に中国の吉林省、陝西(せんせい)省から輸入しています。中国以外ではタイ、オーストラリアでも作っていますが、それらはほとんど現在の日本のもやしには使われません。
成長記2:
解説・・・
この豆を芽吹かせる作業をもやし屋では「仕込み」と呼びます。ここでは水をあげると書いてありますが、実際は時間の短縮の為に30~40度ほどのお湯を仕込み容器に張ります。約6時間後に容器の水面が泡で一杯になり、豆が芽吹いたことを教えてくれます。
解説・・・
飯塚商店ではこのムロの温度は約24~26度に調整されています。湿度はその季節によって異なりますが、あえて調整をしていません。水遣り、つまり散水は1日に4~5回。散水温は17~18℃ほど。地下水を少し温めています。散水は1日に最低でも4回。これを下回るともやしの発芽熱が抑えられなくなり、その行き過ぎた熱でもやしが死んでしまいます。
成長記5:
解説・・・
飯塚商店ではもやしに基本的に必要最少量の水しか与えません。そうなるともやしは水を求めてさらに根、ひげ根を伸ばしますが、私どもはそれを“もやしの生命力”であり、“力強い味の源”と考えているのです。
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この絵本を制作するに当たって、まず私自身が
「もやしとはいったいなんなのだろう?」
と、考えることから始まりました。
「安くて大量生産の利く野菜」
というのは一般的な解釈でしょう。しかし生まれてからもやしが
身近にあった私は、もやしの立場から考えます。
光も養分もなく、自らの豆の栄養と水だけで育つもやし。
もやしは、人なくしては実らない他の野菜と違い、
「自立した生命力」
が漲る野菜ではないかと思うのです。もやし屋として、その生命力を強調しなければ、と思ったのです。