たしか三作目ぐらいだったと思いますが、再びオリジナルガンダムが

出てきます。



当時のサイバーコミックスを見ていただければ分かりますが

結構普通にオリジナルガンダムは出てました。

こちら参照

しかし世界設定をそのまま使うオリジナルというのは

異質だったかと思います。

あの年代は、伸童舎編の年表に乗ったら「本物」で

乗らなかったら「亜流」みたいなところがあったので

ガイナックス(後にスタジオハードMX)派閥のこちらは

外様でした。


バンダイのライセンス内を免罪符にした

読者にとっては嘘、大げさ、紛らわしいの三冠王なので

後に「アウターガンダム」と名付ける連作の事実上の第一作

となります。

 サイバーコミックス掲載は「西風のファントム」の後に「さよなら東京」、

確か掲載保留のため逆転したと思います。


「西風のファントム」


星一号作戦前、最新鋭のゲルググJを有する機動要塞に阻まれる。

"トリビューン"を旗艦とする連邦軍第7艦隊は、最新の無人機を持って

この攻略に当たるのであった。


アニメで言うところの戦闘回をイメージした、メカ戦に徹した一作です。



本作ではMS(モビルスーツ)という言い方ではなく、TMMという

呼称が使われています。

タクティカルモビルマニピュレーターの略で、工作機械の延長上

カテゴリー的は"ボール"の開発計画の一環で、合流した規格と

行ったとこでしょうか。


モビルスーツは、ジオンの造語であるため、かたくなに使わない

人達もいたとしています。


・・私自身がめんどくさくなって使わなくなりましたが。


無人機(ファントム)システムは、常に"未知の環境"での暴走の

可能性があるため、人格制御を搭載してしまおうということになり

教育オペレーターが存在しています。


「命令形態が不明になったら自分で考えろシステム」です。

これは後にReonまで続きます。


単行本では順番が前後してますが、

ワルハマー・T・カインズ工学博士と

エリシア・ストックウェルが初登場。




カインズ博士は、かなり唐突な登場人物ですが、

鉄人28号の敷島博士がモチーフと言えば

どういうポジションかわかりやすいかもしれません。


ゼファーファントムも初登場。

当時は”フルアーマー設定”が、「超時空要塞マクロス」から移転して

ガンダム世界にもやって来たので、

ノーマル、フルアーマー、突入(シャトル)形態と三段階の

フォームを持ちます。

変型はZ以降なので、その前史の1年戦争では、入れ子構造で

飛行形態を持っていたという、遠回しな理屈も付いてます。




ストーリー的には、順次外装が外れていって最後に「ガンダム」

が出てくるという流れになっています。

ゲルググさんが”何かと思ったらガンダムじゃないか!”

と驚くのが物語上の核でもあります。

この世界での最強なのはホワイトベース搭載のアムロ機。

それは一機しかないはずなので、量産型(派生機)であっても

充分なインパクトを与えたものとしています。


ノーマル状態が、最高の機動力を発揮できるので一番最強。

アーマーは攻撃圏内に入るまでの盾でしかありません。

どんどん鬼神のように強くなるので「0080」とは逆の使い方を

しています。

ビームサーベルこそが世界最強の一撃必殺の兵器。

至近距離に近づいたら覚悟せよ! って感じです。


当時は黒澤明作品に傾倒していたので、マンガの中でも

ダイナミズムを出そうと頑張ってました。

最後の真っ二つは「椿三十郎」です。




パイロットの疲弊を軽減するために作られた無人機システムですが

敵対となれば、相手のパイロットを容赦なく殺害しています。

これはアウターガンダム最終回に続くテーマの道筋です。


このお話は"星一号作戦前"としています。

ア・バオア・クー攻略戦(星一号作戦)前ぐらいの話と

考えていたのですが、この後に続くのは

ソロモン攻略戦(チェンバロ作戦)。

ソロモン戦の前にゲルググJの実戦投入はいささか無理があります。


この先が描けるかどうかあやふやだったので、後にまとめたときに

時間軸上の矛盾が発生しています。



ガンダムのメカニカルな定義は当時から考えていました。

アムロ父のティム・レイが考案したのは、大火力と高起動、装甲を持った、

スペック上仮想的ザクを凌駕する戦闘機械。


この高起動兵器を扱えるだけの熟練パイロットがいないところに、

天性の"使い方を心得ていた"アムロが登場することで、意図せずに

100%の機能が発揮されていたというのが「機動戦士ガンダム」の物語。

シャアは逆に、謀殺された一族出身という環境から、食らいつくように

モビルスーツの新時代を吸収していった人間だと考えてます。


それとは別のパイロット環境に左右されないという設計思想が

無人機(ファントム)システムとしていますので、

個人的にはそうそうデタラメなものだとは思っていないのです。


2008 やっぱりメカはしんどいのでラフ絵

ちゃんとかくとガンダム一体6~12時間ぐらい。

特に銃が辛いので、ハンドガンタイプを持たせてます。


久々に描いてみました。

後から描く度に違ったキャラになってますね。

エリシアというよりニナ・パープルトン@星屑英雄・・・。

最後の単行本の時に、原稿紛失のために手を

入れられなかったのが返す返すも残念です。