こんばんは、がんばるじゃすみんです。


今日はほとんど予定が無い日でした。

自宅でゆっくりするのって、本当に久しぶりです。


税理士試験の勉強が無いってこんなにも

心にも時間にもゆとりが生まれるのですね(笑)


先日、大学院進学する話を書いたところ、

何人かの方から質問をいただいたので、

私が大学院へ進学して税法科目の免除を受ける事

略して、院免を考えている理由を書いてみたいと思います。


院免制度についてご存知が無い方の為に簡単に説明をすると、

税理士試験は試験により会計科目2科目、税法科目3科目の

合計5科目を取得する方法のほかに、

大学院へ進学し、論文を提出して科目免除を受ける方法もあります。


詳しくは国税庁の以下のページをご覧ください。

改正税理士法の「学位による試験科目免除」制度のQ&A


院免制度によって会計科目1科目、税法科目2科目の免除が可能ですが、

今回は多くの方が検討される税法2科目免除に限ってお話します。


税法科目2科目の院免制度については賛否両論があり、

税理士業界でしばしば議論がなされる問題です。


かなりデリケートな問題だと思いますので、

これから書く内容はあくまで私の個人的な意見である事を

ご了承の上、読んでいただけるとうれしいです。


院免制度を選ぶにあたって、院免固有の理由と

私の個人的な理由と、大きく2つの理由がありました。


●税理士業界の事情


・税理士業界での院免の位置づけ


ネットや事務所の先輩などの話を聞くと、

税理士の資格の取り方によって序列があるようです。

人間は学歴や収入によってランク付けをするのが

好きな人もいますので、それと同じ様なものだと思います。


それを公言する人もいますし、言葉には出さないけれど、

意識する人もいます。


私は肩書きだけで人を判断するのはあまり好きでは無いですが、

後述するように知識面や就職等で有利なのは事実です。


一応書いておくと、

5科目合格者>院免>国税OB

の順で優秀だ、といわれるそうです。


また、税法の選択においても何を選択するのかで

序列があるようです。

法>相?所?>消>固、事、住>酒、国徴

の順に就職時には評価され、実務でも有用なようです。


・知識面の問題


どうしてこんな序列ができるのかというと、

それにはやっぱり理由がありまして、

実務に直結している税法を合格されている方というのは

知識面で優れていると思います。


実務と勉強は違うという人もいますが、

実務をしているだけでは

体系的に税法を勉強する機会はありませんので

税理士試験に合格するほどの知識があるのは強いと思います。


私自身も、院免を考えてはいるものの、

税理士業界を知り、実務を経験すればするほど、

ちゃんと税法について勉強をしたいと感じています。


また、5科目合格したらそれでおしまい、

という考えではダメだと思います。


法律は改正されますので、常にアップデートが必要で、

税理士になってからも勉強を怠ることは出来ません。


もしかすると、実務の方が厳しいかもしれません。


だって、勉強ならテストで×をもらって減点されるだけ、

最悪でも試験に落ちるだけです。


実務ではそうはいきません。


顧問先にとっては税理士のアドバイスがすべてです。

消費税の判定を誤ったために、

何千万、何億もの損害をこうむる事もあります。


税理士の知識不足で顧問先に

迷惑をかけることはあってはならないのです。


そういう意味では院免であっても、

5科目合格者と同じかそれ以上の努力が必要だと思います。

・就職について


ネットや専門学校の求人を見ると、

「税理士有資格者(院免除く)」

の言葉を見ることがあります。


大手の会計事務所だと、院免は採用しないところもあるようです。


中途採用の場合は即戦力を求めている場合が多いので

経験者もしくは知識面で保証されている

実務で必要な科目の合格者が有利だと思います。


逆に、会計事務所未経験で、

院免や実務に関係の無い科目での合格者は

実際にはそうでなかったとしても、

資格だけ持っていて使えない、

というレッテルを貼られる可能性があります。


就職は、年齢やその地域の求人の需給関係、

本人の経験や人柄など、

多くの要素がありますので一概には言えませんが

資格を持っているだけではダメだ

という認識を持っていたほうがいいと思います。


ちなみに、私が就職活動をした時に、

院免を考えているという話をしたら、

「大学院に逃げるの?」

と言われた事務所がありました。

もちろん、不採用でしたwww

そう考える事務所もあるのです。


・院免は簡単か


大学院へ入学するには入試に合格する必要があります。

倍率が8倍に上る学校もあるようです。


数年前に私が通えそうな名古屋の数校に

資料請求をした時の入試問題は

英語の記述があったり、小論文があったりで

難しい問題だと思いましたし、

研究計画書を提出しなければいけない学校もあります。


誰でも希望の大学院に進学できるとは限らないのです。


また、税理士試験ほどではないと思いますが、

講義のレポート提出や試験もあるので

それなりに勉強をする必要があります。


ちゃんと勉強せずに留年したら元も子もありません。


また、院免の要件は大学院を卒業することではなく、

論文を国税審議会に提出し、

免除申請が認められなくてはいけないため、

まれに認められないこともあります。


院免だからラクってワケでもないのです。



・院免のメリット


私が個人的に大学院への進学のメリットと考えているのは

もちろん、税法2科目の免除が一番ですが、

大学院で出会う人の人脈にも期待しています。


この歳になって同じ志を持った仲間が出来るなんて、

とってもステキなことですよね。



●私の個人的な事情


結論から言うと、私があと10年若かったら、

きっと5科目合格を目指していたでしょう。


各税法そのものへの興味があるので

もっと勉強したいという気持ちも強いです。


しかし、子どもは小学校低学年よりも高学年になるほうが

実は母親は忙しくなるようです。


部活や習い事の送迎やPTAなど、

学校行事への参加が多くなりますし、

児童クラブに預けることが出来なくなります。


また、習い事にお金がかかるようになるので、

私が税理士試験にかける時間もお金も限られてきます。


上の子は今年小学校2年生。


そろそろ、私が自分の勉強の為に

お金と時間をかけられるタイムリミットが迫っています。


夫はサラリーマンの平均年収以下の収入なので、

私が働かなくては家計がまわりません。


「働かなくてもいいけれど、働いている」

ではなく、

「働かざるを得ない」

状況なのです。



#だからと言って、専業の方がうらやましいとか、

#そんな風には思いませんし、

#貧乏で惨めな思いをしている訳ではありません。


#それぞれの置かれた状況の中で

#それぞれの選択をするしか無いですから。



大学院の学費は父が亡くなった時にもらったわずかばかりのお金と

これまでに積立貯金をしたお金を使うつもりです。


うまく説明できませんが、父から最後にもらったお金を

生活費や先の見通しが立たないものに使いたくないのですよね。


ここぞ、という時に使いたい。

何で得たお金であっても同じお金に変わりはありませんが。。。


私にとっての「ここぞ」が大学院進学なのです。


就職の面でも既に私は会計事務所で働いていますので、

今の事務所で頑張れば

院免の為に就職で苦労する事はなさそうです。


加えて、私が会計業界に入ったのは

下の子を産んで育休が終わった5年ほど前。

もし、今から順調に合格を重ねても

税理士を名乗るほどの経験を得られるのはいつのことやら。


早く実務の経験を積みたいという気持ちが

税理士の資格取得を急がせています。



●まとめ


院免か5科目かどちらがいいか?

といわれれば、5科目合格するほうがいいと思います。


しかし、資格を持っていたらそれで安泰、

というほど甘くはありません。


自分が置かれた状況の中で、

何がベストなのか?


就職はできるのか?


資格を取ったらどんな税理士になりたいのか?


を総合的に考えて慎重に決めるべきだと思います。


そして、院免であっても5科目合格者であっても、

税理士の有資格者である事には変わりが無く、

最終的に評価するのは、顧問先=お客様なのです。


私は今のところ、院免を選択する予定ではありますが、

うまくいくかどうか分かりませんし、

状況が変わるかもしれません。


この先、どんな選択をしたとしても、お客様に選ばれ、

私に頼んでよかった、と思えるような税理士になれるように

知識面でもサービス面でも、不断の努力をしていきたいと思います。



お友達ブロガーさんの言葉を借りると、


すべてはお客様の為にある、


のです。