マラドーナと魔裟斗 | 早稲田大学松岡ゼミのブログ

マラドーナと魔裟斗

今回はちょいと気になったことをちょいと述べます!
長いです。。

先日の「スポーツビジネス概論」の授業で原田先生が、「20年前はNBAなんて当時の日本のプロ野球と比べれば大した規模じゃなかった。マイケル・ジョーダンが出現してから一気に伸びた。」とおっしゃっていました。
確かにスポーツの人気ってスター選手に依存してますよね。
簡単な例で言うと最近中村俊輔が復帰した横浜Fマリノスなんか一気に集客伸びましたしその典型ですよね。

で、1つ気になった。
アルゼンチンサッカー界の英雄、ディエゴ・マラドーナは皆さんご存知ですよね?
サッカーの王様ペレと並ぶ、歴代最高と評されるフットボーラーです。
マラドーナが引退してから、アルゼンチン国民は「マラドーナの後継者」の出現を切に願っています。
自分の知る限りでも、オルテガ、リケルメ、アイマール、ダレッサンドロサビオラ、テベス、アグエロ、そしてメッシ。
将来のスーパースターになる可能性が高く、少しでも体格やプレースタイルが似ようものならすべて「マラドーナ後継者候補生」になります。
しかし、マラドーナ以来アルゼンチンにW杯王者の称号をもたらした選手はおらず、国民の期待は現時点では全て裏切られています。
それでも国民は「マラドーナの後継者」を求め続ける。
仮にメッシがなれなかったとしても、これからもずっとでしょう。

では魔裟斗の場合はどうでしょう?
魔裟斗を知らない方に簡単に説明すると、魔裟斗は日本のK-1ファンにとってのマラドーナみたいなもんです(反対意見もあるでしょうが無視笑)。
会場に来る15000人のうち10000人は魔裟斗の勝利を見に来ると言っても過言ではない。
そして昨年引退。
K-1自体魔裟斗の人気に頼っていた部分もありますから、メディアは「魔裟斗の後継者探し」に躍起です。
でなきゃ記事も売れないし盛り上がらない。
しかし大衆は、「魔裟斗は不世出のスター」という認識を持っていて、感動と興奮を与えてくれるスターをもはや求めていません。
K-1離れも少しずつではありますが確実に進んでいます。
思えば中田英寿が引退した時も、中田の後継者などいない、という感じ、「誰が中田の後継者になるか」などの議論がメディア上で踊ることなどありませんでした。

この違いは何でしょうか?
クリスチャンの多いアルゼンチン国民ですから、もはや「神」と称されるマラドーナに変わる「新たな神」を求めているのかもしれません。
その可能性は高いですが、クリスチャンの多いアメリカでもマイケル・ジョーダンの後継者探しに躍起になることはなかったような気がします。

ここに、スター選手に依存しない、長期的なスポーツビジネスのヒントがあるのかもしれない、とフと思いました。
長くなってごめんちゃい!
明日から合宿なんで真っ黒になって帰ってきます!