望郷/文藝春秋
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湊かなえの直木賞候補作ですが。

6つの短編からなっています。


湊かなえさんというと『告白』が有名ですかね。

『夜行観覧車』とか。

売れっ子さんですよね。


僕は初めて湊さんの本を読んだのですがくせのない文章で、でも人物はうまく描き分けられてある読ませる作家だなと思いました。

そういえば『贖罪』も湊さんですかね。

結構知ってますね。



それで6つの短編の始まりが「みかんの花」です。


さわりをちょっと紹介すると、

「白綱島」という場所が舞台で父、母、姉、妹の4人で暮らしていた家族の話です。

主に妹視点で描かれています。

みかん畑を経営している、とはいっても主業ではないようです、ということでみかんの花という題名が連想されます。


父がある事故で他界し、残された家族は島で肩身の狭い思いをして生活しています。

その後姉が高3のとき男と一緒に島を去ります。

それから母と妹2人で島で細々と生活していました。

そして時が流れ二十数年後、音信不通だった人気作家になった姉が「白綱島市」の閉幕式に参加するために島に戻ってきます。

妹はなぜ姉はあのとき島を出たのか?認知症になった母に申し訳がなくはないのか?と姉に憎しみのようなものをもって対面するのですが…

という話です。



よくよく本を見てみると、帯に日本推理作家協会賞受賞などと書いてあるのでこれは推理小説だったのか、なるほど、と思いました。

最後のこちらをはっとさせる終わり方は確かに推理小説です。



こういった短編が6つ詰まってひとつの物語になっているようです。

「みかんの花」だけの時点では直木賞とまではいかない感じがしますが相手次第ですからね。

読む時間が無いのですがちょっとづつ読んでいこうと思います。