ひとりで焼き肉屋に入ると言うこと。 | 人は気にならないだろうけど私は気になる。

ひとりで焼き肉屋に入ると言うこと。






僕ちゃんはお肉が好きだったりします。




焼き肉ももちろん好きですけど、外で食べる時はステーキを選ぶ時が多いです。


理由はふたつあって、ひとつは『せっかく外食するんだからプロの味を楽しみたい』と言う事。


家でステーキを焼いた事がある人は経験あると思いますが、分厚いステーキをいい塩梅に焼き上げるのはとても難しいですよね。





ふたつ目の理由は、僕ちゃんが一人もんで、その上友達が少ないと言う事・・・


自動的に外食する時はひとりの時が多くなります。



そう!ひとりで焼き肉屋に入るのはなかなか恥ずかしい・・・ですよね?



最近は『お一人様専用焼き肉』みたいなお店もあるようですが、何か違う・・・


恋愛したいと言ってる人に風俗を勧めるような物でしょうか?
全然違いますね・・・


もし焼き肉屋さんに一人で行くとしたら、『カウンター席もあって程よく混んでいる』・・・と言うのが理想です。
この『程よく混んでいる』と言うのがポイントです。

たとえカウンター席があってもほとんど埋まってなかったら、
グループやカップルのお客さんに
『ぷぷぷ!アイツ一人で焼き肉屋に来てるよ!』
と晒しものになってしまいます・・・(被害妄想)


そんなわけで、千葉に住んでいた頃はよく『しちりん』と言うお店に行ってました。
焼き肉屋と言うよりはホルモン焼きがメインなんですけど、一杯飲み屋や焼き鳥屋に近い雰囲気で、カウンター席には一人で呑んでるおじさんがいつも沢山いたからです。




話がちょっとズレましたが、この前東京に行った時『肉食いてぇ~!』となったので、やはりひとりぼっちだったのでステーキ屋さんを探す事にしました。
『どうせなら面白そうな店がいいな』と言うわけで錦糸町の『ヒレ肉の宝山』と言うお店に行ってきました。



何が『面白そう』だったかと言うと、テレビやネットでも良く取り上げられるのでご存知の方もいるかもしれませんが、毎日お客さんの前で肉の解体ショーをやっており、その肉をオークション形式でお客さんに値付けさせて、競り落とした人がお店お勧めの調理法で頂ける・・・と言う『ミートオークション』を行っているのです。

オークションと言ってもあくまで『サービス』としてやっているので、値段が通常値を超える前に店員さんが競りを終了させるので、A5ランク高級霜降り和牛のステーキをはじめ、かなりお得なお値段で高級肉を食べれると言うわけです。

つまりお店は赤字覚悟・・・と言うか常に赤字・・・・


平日の夜の7時にお店に着いたのですが、ミートオークションが始まるのは8時頃との事・・・


『それまでつまみとビールでも・・・』と思い、ちょっと早いですが入店して待つ事にしました。


入るとお客さんは僕の他におじさんがひとりだけ・・・



ネット情報によると『客が少ない時は500円とか1000円とか信じられない様な安値で競り落とせる』とあったので『ラッキ~!』と思ってたら、オークション時間が近づくとあれよあれよと言う間に人数が増えて行き、ほぼ満席の40名近くに・・・甘かった・・・


そして、入った時メニューと各テーブルに設置されたコンロを見て気付いたのですが、ここはステーキ屋さんでは無く焼き肉屋さんのようです・・・(メニューにステーキもありますが)





カウンター席もちゃんとあるんですが、僕の他におひとり様は一人だけ・・・

他のテーブル席はグループやカップルばかりで、お客さんが増える度に段々恥ずかしさが増して行きます・・・

僕がお店に入った時に唯一いたおじさんも後から連れが4人も来て(しかも全員若い女性)ぼっち仲間じゃなかった事が判明・・・

とどめに『ホストと常連のお嬢様ご一行』風な8人組の男女が最後に入ってきて、そのオラオラ~!ソ~レ!ソレ!ソレ!的華やかさに寂しさも倍増・・・




オークションまでの間サラダを食べながら待ちます・・・





メキシカンタコスサラダ(¥850)激ウマ!
生ビール(¥500)



間が持たなくて牛タンも頼みました・・・・



厚切り上タン塩(¥1,500)
シャンパンはサービス




ミートオークションが始まると、店長さん(らしき人)がお肉を切りながらの部位の名前やお勧めの食べ方をわかりやすく解説してくれます。





このトークが『芸人か!?』と思うぐらい面白くて、適度な客いじりもあって、店内は大盛り上がりですよ。






目玉のA5ランク高級霜降り和牛のステーキはさすがに2名分しかなかったのですが、他にもいくつかオークション用のメニューが用意されており、例えば『小皿のサイコロステーキ10皿をオークションでは無くお値段固定で(たしかその日は500円)じゃんけんで争奪戦』・・・と言った具合に、なるべく多くの人が参加出来るように工夫していました。



でも、僕が狙ってるのは、A5ランク和牛のステーキ。



この写真の肉丸ごと食べれるわけでは無く、こっから2食ぶん(うろ覚えですが1食3~400gぐらいだったたような気が・・・)を切り出してオークションにかけられます。




店長さん曰く『通常は1万5千円から2万円ぐらいの値がつく』と言うそのステーキ肉は、2皿とも500円からオークションスタート。


結果から言うと、両方『ホストと常連様ご一行』が6~7千円で落札しました。



いや、僕ももうちょっと頑張れなくも無かったんですけど、どう考えても『焼き肉屋に一人ぼっちで来ている正体不明な怪しいおっさん』(つまりわし・・・)が落札してしまったら、せっかく大盛り上がりの店内が『しょぼ~ん』としてしまうのが目に見えてるじゃないですか・・・



ホスト様ご一行は8名様連れだから、みんなで分けたら一口ぶんぐらいしか食べられないだろうけど、それでもワイワイキャッキャッ言いながらちょとずつ摘むのも『また楽し』じゃないですか。
その横で怪しいおっさん(わしじゃよ!)が一人で同じ肉をしっかり一人前どや顔で食べてたら、確実に興ざめ、確実に『悪者』じゃないすか・・・
ホストのにーちゃん達の焼き肉接待も失敗しちゃうかもしれないじゃないですか。
(いや、ホントにホストかどうかは知りませんが)


僕ちゃん・・・・そんな冷たい視線に・・・耐えられない・・・




そんな被害妄想に襲われたので、オークションは途中で断念し、お店の名物と言う『ヒレの極厚ステーキ』(¥3,000ライスセット+¥250)を頼みました。




写真の通り極厚で、焼き具合も完璧。美味しゅうございました。
ガーリックソースがちょっと濃かったので、お肉本来の味を楽しみたい人はペッパーにするかソースを別にしてもらうといいかもしれません。
お値段から考えても大変お得だと思います。


このお店は、ミートオークションは霜降り肉ですが、そもそも『ヒレ肉の・・』と言う店名が表す通り、赤身のお肉をメインに取り扱っているそうです。
この『ヒレの極厚ステーキ』も赤身肉。

考えてみれば僕ちゃん、霜降りはあんまり得意じゃないんです・・・

と言う訳で結果オーライと言うことで!


お肉も美味しかったですが、店長さん(らしき人)が本当に素晴らしかった。
厨房でお肉を焼くのも店長さんで、客席は満席だったため厨房もホールも大忙しだったのですが、
店長さんはお客さんに常に目を配っており、
『○番テーブルのお客様の開いたお皿さげて』
『お飲みもの無くなりそうだからお聞きして』
と言った具合にオープンキッチンからホールのスタッフに的確に指示を出しています。

厨房がちょっとでも手が空いたらホールやドリンクのフォロー。
ミスをしたスタッフに冷静に駄目出しをして軽く説教をしたと思ったら、その数分後に楽しげに話しかけてスタッフを和ませます。

厨房にもう一人いた調理スタッフ(おそらく部下)は店長さんよりずっと年上のご年配の方だったのですが、変に威張るわけでも無く、かと言って必要以上に目上扱いするわけでも無く、程よい距離感で接しています。



そんなに広いお店では無かったし、僕の座っていたカウンター席のすぐ目の前が厨房だったので、それらの様子が良く見えました。

普通こう言った内情(特に説教)を見ると
『客の前でやんなよ・・・』
とうんざりするのがほとんどですが、この店長さんに限っては惚れ惚れしながら見てました。


そして食事が終わり、ホールのお兄ちゃんに会計してもらってこっそりお店を出たら、店長が厨房から飛び出て来てお店の外の階段まで追いかけて来るじゃないですか!

『え?オレ食い逃げした!?』とドキドキしてたら(いやちゃんと払いましたけど・・)
店長自らお見送りのご挨拶・・・


お店クソ忙しいのに・・・わざわざ厨房から出てきて・・・


う~んスバラシイ!


感動しました!


これが出来る男と言うヤツか!?


雇われ店長さんなのか?オーナー店長さんなのか?はたまた実は店長さんではないのか?
(実はスーパーアルバイトだったら凄い面白いですけど!)

出世間違い無し!



と言うわけで、錦糸町方面でお肉が食べたくなったらオススメですよ!



ただし『ミートオークション』目当てだったら、お一人様では行くには強靭な精神が求められます・・・

その代わり、カップルやグループだったら間違い無く盛り上がれますよ!


もちろん『ミートオークション』抜きでも楽しくお食事出来ると思います。


お店のサイトが無いようなので食べログ・・・






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