ビタミンDは卵巣予備脳とは無関係 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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本論文は、ビタミンDは卵巣予備能(AMH、FSH)とは無関係であることを示しています。

 

Fertil Steril 2018; 110: 761(米国)doi: 10.1016/j.fertnstert.2018.05.005

Fertil Steril 2018; 110: 643(米国)コメント doi: 10.1016/j.fertnstert.2018.07.001

要約:2014〜2017年に、21〜50歳の女性457名の25OH-VitD、AMH、FSHを測定し、その関連について、後方視的に検討しました。25OH-VitD値は、AMH、FSHとの関連を認めませんでした。

 

解説:25OH-VitD、AMH、FSHの間には関連があるとするものと関連がないとするものがあり、一定の見解が得られていませんでした。本論文は後方視的検討ですが、ビタミンDは卵巣予備能(AMH、FSH)とは無関係であることを示しています。したがって、ビタミンDの改善による多くのメリットはAMHなどの卵巣予備能ではなく、他の因子の改善によるものと考えられます。

 

下記の記事を参照してください。

2018.2.25「ビタミンDによる胎盤形成作用の基礎的検討

2018.1.20「ビタミンD濃度と体外受精の成功率の関係:メタアナリシス

2017.10.20「ビタミンD不足と不妊の関係

2017.8.20「健康な女性におけるビタミンDと妊娠の関係

2017.8.18「ビタミンDの効能:妊娠免疫の観点から

2017.3.20「ビタミンD製剤は、不育症治療に有用?

2016.12.8「☆ビタミンDの卵胞発育促進作用

2016.12.5「☆不育症とビタミンDの関係

2016.12.4「☆ビタミンD製剤はいつ服用すればよいか

2016.3.31「妊娠中のビタミンD大量投与

2014.10.26「☆ビタミンD不足だと妊娠率が低下する

2014.4.7「☆ビタミンD不足で着床障害になる?

2014.3.17「☆ビタミンD欠乏は不育症のリスク因子です

2013.2.25「白人ではビタミンD濃度が高いと体外受精の妊娠率がよい

2012.12.10「ビタミンDの効用 妊娠•授乳編

2012.12.8「☆ビタミンDの効用 女性編