最近読んでよかった本 その27 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった3冊を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

「サイレンス」秋吉理香子

新潟の離島に住む深雪は、芸能界に憧れるものの両親の反対で夢を諦めざるを得ない。憧れの東京の大学を卒業後、有名芸能人のマネージャーとなり活躍する。広告代理店のプロデューサーである俊亜貴とは、交際6年になるものの一向に結婚の話が出ず、ズルズルと34歳を迎える。周りからの助言もあり、深雪は俊亜貴を実家の両親に紹介する説得についに成功。お正月休みに、片道7時間の長旅の末にふたりを待っていたのは、、、離島、古い風習、そして厳しい冬の気候。俊亜貴はその状況に何とか耐えようとするが、訳あって失踪。その訳とは?その裏にある真実とは?秋吉さんらしいオチに私的には満足ですが、最後背筋がゾーっとします。

 

 

「さよならドビュッシー前奏曲」中山七里

「さよならドビュッシー」で亡くなった玄太郎おじいちゃんが存命中に、様々な事件を解決する短編が5編。車椅子に乗りながら事件現場に乗り込み、少しのヒントから事件を解決する姿は、とても要介護認定を受けた方とは思えません。サブタイトルは「要介護探偵の事件簿」となっています。イケメンの音大講師も登場します。

 

 

「週末のフール」伊坂幸太郎

8年後に小惑星が衝突し地球が滅亡することが明らかになった。最初は自殺、略奪、暴徒など混乱が見られたものの、5年経った今、人々の生活は落ち着きを取りもどしていた。仙台北部の団地「ヒルズタウン」に住む8組の家族が「あと3年、如何に生きるか」それぞれの日常生活を紹介しています。余命宣告された人々はどうすべきか?生きるとは?幸せとは?考えさせてくれます。8話に登場する人物がそれぞれリンクしているので、2〜3回読むと全貌が明らかになります。さすが伊坂幸太郎、よく考えられた作品です。ところで、もし私が余命を宣告されたら? 最後の最後までこの仕事もブログも続けていると思います。それが私の人生だと思うからです。