嬉しい報告:40歳、胚盤胞移植で妊娠せず、初期胚2個移植で妊娠 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2015.1.25「Q&A583 39歳、採卵2回、移植0回」、2015.4.3「Q&A651 39歳、採卵3回、移植1回」で質問させていただいた者です。

その後、アドバイスの通り、凍結初期胚2個移植を目指しました。1個は凍結できましたが、分割停止が続き、凍結できませんでした。その医院での限界も感じていたため、凍結してある胚1個を移植、陰性の結果を受け、転院しました。

転院先で、顕微受精で初期胚2個移植を目指しました。AMHは0.1台、FSHも高く、採卵数も少ないため、2個凍結までは8ヶ月程かかりましたが、1度目の移植(初期胚2個、ホルモン補充)で陽性判定をいただくことができました。結果は9週で稽留流産となりました。
 
あきらめずに治療再開すべきと産婦人科の先生や家族に背中を押され、すぐに治療再開しました。前回は2個凍結までに数ヶ月もかかったのですが、驚くことに1回目で2個採卵することができ、1度目と同じ方法で移植し、妊娠することができました。

1回目の妊娠の時は、結果がどうであれ、治療は最後と決めていたので、通院もすべて楽しもうという楽な気持ちでいました。結果は悲しかったですが、胎児の染色体異常(15トリソミー)が原因だとわかり、受け入れることができました。2回目の妊娠は、よりニュートラルな気持ちで取り組めたこともよかったように思います。

松林先生にあきらめるには早いとアドバイスをいただき、転院を決意でき、治療を続けることができました。40歳を過ぎ治療のやめどきを考え始めていましたが、松林先生の40代は初期胚2個移植が功をそうするということを信じ続けた先の妊娠となりました。本当にありがとうございました。
 
コメント:胚盤胞しか取り扱っていないクリニックでは、永遠に妊娠できなかったでしょう。ある一つの方法しか行わないクリニックでは、それに合った方だけが妊娠し、合っていない方は妊娠できません。したがって、私はどのクリニックでも全ての方法が可能であるべきだと考えています。