嬉しい報告:遺残卵胞とされていた卵胞で妊娠 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

大阪までは通うことが出来ないので直接見て頂いたわけではないのですが、blogを読んで地元クリニックでその通りにしたら妊娠判定を頂きました。

41歳、AMH0.6 FSH15前後、ただし最高で50を超えたこともあります。

採卵は刺激しても育たず、直近はD3で10mmを超える遺残と判断されるような卵胞がある位でしたが、松林先生のいつでも育とうとしているとのお言葉を信じてD8で採卵しました。3日め6分割ですが、胚盤胞を狙わず凍結し、初期胚を複数獲得しました。3日めでは4分割か6分割にしかなりませんでした。移植は、同じ6分割同士のほうがいいとの先生の判断で、6分割2個移植をしたところ、着床しました。
 
普通だったら遺残と言われ見送られる周期の卵子で、尚且つ、胚盤胞にたぶんならなかったであろう受精卵で着床まで行くことが出来たのは、松林先生のblogのお陰です。私の通っているクリニックでは初期胚でも凍結してくれますが、胚盤胞にならない胚は、結局妊娠に至らない可能性が高い。それでもよければというスタンスです。また遺残卵胞も、質が悪い卵子かも知れないけれど採卵したければ、というスタンスでした。

費用を無駄にしても自己責任との考えで治療を松林先生の考え方に添うようなるべく努力し、今日の日を迎えることが出来ました。私の場合はですが、遺残でもE2が出ていれば卵子があったので、チャレンジする価値はあるんだなと思いました。どうか松林先生の考え方がたくさんのクリニックにも伝わり、若しくは分院がたくさん出来、妊娠を望む皆さんが一国も早く妊娠出来ればと思いメッセージを送らせて頂きました。
 
コメント:最近嬉しい報告が多くて、ほんとに嬉しい限りです。説明会で必ずお話しているのは、「あるひとつの方法しか行わないクリニックでは、それに合った方だけが妊娠して、合っていない方は妊娠しない」ということです。胚盤胞だけ、自然周期だけ、FSHが高いとパス、遺残はパスなど。それ以外の方が妊娠するためには、全ての方法を取り入れるしかありません。それができるクリニックは、極めて少ないのが現状です。また、卵胞は毎日育とうとしています。ホルモンを出している卵胞は遺残卵胞ではありません。新しく育ってきた卵胞です。育ってきた時が採卵すべき時です。