Q&A1410 卵巣機能不全+乏精子症 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 20代前半、妊活約半年

初経の頃から生理不順で、3ヶ月来ないこともしょっちゅうありました。でも、とりあえず3ヶ月に一度は来ていたような気がします。結婚し、子供が欲しいと思い、まず普通の産婦人科に行きました。すると、ホルモンバランスが乱れており、早く欲しいと思うなら不妊専門の病院に行くべきだと勧められ、通うことになりました。その病院で「卵巣機能不全」と診断され、エストラーナテープの塗布と、クロミッドによる排卵誘発が始まりました。初めて飲み始めてから3週間程して排卵することが分かり、タイミングを取りましたが残念ながら妊娠には至りませんでした。そこで、旦那の精子の検査もしたところ「乏精子症」と診断されました。その後も治療をしていますが、排卵は起こりませんでした。最大で、クロミッド2錠を5日間+追加で1錠を10日間飲んだこともありますが、その時も排卵は起こりませんでした。ネットで調べていると、排卵誘発剤の内服より注射の方が7割の方に効果があると知り、先生に聞いてみましたが、期待は薄いと言われました。もう、妊娠は望めないのでしょうか。あと、気になることがあります。クロミッドは、最大何錠まで内服可能なのでしょうか。ネットでは、3錠飲んで居られる方も居て、気になりました。

 

A AMHを測定していますでしょうか。おそらくAMHが高い多嚢胞性卵巣ではないかと思います。このような場合には、専門家によるしっかりとした治療が必要です。そうだとすれば、クロミッドよりも、フェマーラが有効です。なお、クロミッドは1日3錠までは使えますが、自費になります。

また「乏精子症」の場合には、人工授精が有効です。妊娠は十分望めますから、しっかりとした治療を受けて下さい。