米国留学事件簿その1:バリカン事件 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

もう20年も前の話です。
米国の中西部インディアナ州の州都、インディアナポリスに留学した時のことです。インディー500というカーレースで有名ですが、それ以外にはほとんど知られていない田舎街です。

医師の留学は、とにかくお金がないことに尽きます。当時、研究者としての給料が月1000ドル、これは家賃と光熱費で消えますから、生活費は貯金を切り崩してやっていくことになります。そのため倹約生活になり、削れるところはとことん削りました。

食事は全て自炊、外食はほとんどしません。お昼もお弁当を持って行きます。料理は趣味でしたので、毎日作っていました。この時、格段に料理の腕が上がったと思います。

散髪に行くのもお金がかかるので、なるべく自宅で出来ないかと考え、家電量販店でバリカンとハサミを買いました。早速自宅でバリカンを使ったのですが、全く切れないのです。歯が左右に動いて切れるはずが、歯の鋭さがないためか、あるいは歯の動くスピードが遅いためか、髪に挟まって歯が止まってしまいます。挟んだ髪は無理やり引っ張られるため痛いだけで、しかも挟んだ髪が根元から抜けてハゲのようになりました。不良品ではないかと文句を言うつもりで、購入した家電量販店に行きました。同じ商品が置いてある棚を見ると、何と髪の毛がバリカンに挟まった商品が陳列されているではないですか。私と同じ目にあった誰かが、腹いせに買った商品をそのまま陳列して帰ったのだとわかりました。これを見た瞬間、文句を言ってもしょうがないと諦めました。買った時に気づいていれば、、、こんなことにはならなかったでしょう。

ハゲた場所をどうしたと思いますか?
妻が「マジックを塗っておけばわからないから大丈夫、そのうち髪が生えてくるし、少しの間の我慢だよ」と。黒のマジックを塗って1週間、多分ハゲた場所は誰にも気づかれず髪が生えてきました。その後は、散髪代をケチることなく、お店でカットしてもらうことにしたのは言うまでもありません。

料理については、下記の記事を参照してください。
2013.1.1「料理の腕を磨いて段取り力を身につけよう」
2015.1.1「私の料理」