嬉しい報告 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

何度か質問させて頂き自分なりに答えを見つけ頑張って治療していました。

タイミング治療法から始まり、ポリープ除去などもして、15周期費やし、体外受精に踏み切り、採卵15回、移植12回をした中で、心拍確認後の流産2回、子宮外妊娠1回、胎嚢のみの流産1回、化学流産2回で、ヘトヘトになり、気がつけば丸5年経過し、年齢も39才になり、今から県外の病院にまで通って結局妊娠できなかったらという恐怖で踏み切れず、かといって地元の不妊専門病院では不育検査を取り入れることも、採卵、培養方法を変えてもらうことも叶わず、行き詰まり諦めようかと思い始め、治療せずに過ごしていました。

心のどこかでまだ可能性はある、今やらないと後悔するという気持ちが2割ほど、後は諦めに向いていました。そんな中、なんと自然妊娠することが出来ました!
タイミングで診てもらっていた5才も若い頃では、1年以上かすりもしなかったのに、5年も年を重ねた卵子で妊娠できたことが奇跡のようで、今でも信じられません。諦めがニュートラルな気持ちに当てはまるのか分かりませんが、治療している時のプレッシャーと気負いはなかったのは確かです。
すぐに不育の専門病院にかかり検査すると、抗リン脂質抗体の数値が境界線より少し高い数値だったので、バイアスピリンを服用して、過去2回共9週目を越えられなかったのですが、そこもクリアし、今は22週に入りました。

私みたいなタイプもいることのご報告と、先生が質問に答えてくれて救われたこと、救われている人がいることも含めて感謝とお礼と報告をさせて頂きました。

Q 最後に質問なのですが、不育の専門病院は隣の県で通院に1時間にかかります。地元での出産を望むなら紹介状を書きますと言われましたが、今が大学病院のため、地元であれば県立の病院を勧めると言われました。個人の産婦人科では不育のリスクがある人は何かあった時の対応の心配もあるしお勧めしないと言われたのですが、いかがでしょうか。とりあえず保留にしていますが、ムリに個人病院でお願いすることはどんなリスクがあるのでしょうか。

A 産科は突然母体や胎児の状態が急変することがあります。そのような緊急事態に、どの程度迅速に対応できるかが肝心です。日本の個人病院の多くは1名の医師で全ての診療を行っていることが多いため、必ずしも全ての緊急事態に対処できていないことがあります。したがって、県立病院など複数の医師が在籍する病院をお勧め致します。これまでの経緯から、今回がラストチャンスと思って行動するべきだと考えるからです。