☆遠方からの通院を迷われている方へお知らせ | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 飛行機を使用しなければ大阪に行くことができない場所に住んでいます。「リプロダクションクリニック大阪」に通う場合、採卵時に毎日注射となると、注射あるいは診察を地元の病院で受けることは可能でしょうか。ウィークリーマンションなどを借りて注射から採卵までは、大阪に滞在したほうが良いでしょうか。地元のクリニックでは、採卵時に全身麻酔をするので、持病があるとできないと言われました。その辺も含めて先生の病院では、受け入れて頂けるのでしょうか。

A 2014.8.4「遠方からの通院で大丈夫でしょうか」という質問は、大変多くなっています。当院は、北海道から沖縄まで、47全ての都道府県からあるいは海外からも通院頂いております。遠方の方の通院が非常に多くなっていますので、クオリティを落とさずに最小の通院日数で済むようなプランを実施しています。

なお、当院は妊娠率その他の多くのメリットを考慮し、基本的に全胚凍結を行っています(胚凍結技術は日本が最も進んでいます)。したがって、採卵周期と移植周期は別々になります。近医で診察をご希望の方もおられますが、医師の裁量によりクオリティーが低下する(最適の時期にプランできない)場合があり、お勧めしていません。どのタイミングで採卵すればよいかの判断や、どのタイミングで移植すればよいかの判断は、知識と経験によるところが大きいものです。私たちはいつも、最短で結果が出せるようにしたいと考えています。

通院のプランは下記のようになります:準備~採卵~凍結~移植~妊娠判定
事前準備:感染症検査(梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV)、血液型、術前検査(肝機能、腎機能、末梢血検査)、AMH検査(血液検査は、過去1年以内のデータが必要ですので、データを持参されるか当院で採血致します)、自己注射指導(アンプルの薬剤を溶かして注射器に吸い、注射するまでの一連の過程の指導が必要です)、体外受精説明会(初めて体外受精を行なう方は必須です)
生理3日目:エコー確認、個々に最適な刺激方法を決定(AMH検査結果による)、注射&内服開始
生理8日目:エコー&ホルモン採血により次の注射プランを決定
生理10日目:エコー&ホルモン採血により採卵日決定(刺激方法あるいは卵胞の育ち方によっては、8日目と10日目を1回にすることも可能)
生理12~13日目:採卵、顕微授精or体外受精
採卵後約1種間:エコーで副作用チェック(子宮と卵巣の状態を確認)、受精卵(胚)の凍結の状況を説明、胚移植周期の薬剤を処方(直後の生理3日目から内服開始)
直後の生理13日目前後:エコー&ホルモン採血により胚移植日決定、投薬
生理18日目頃:胚移植
生理29日目頃:妊娠判定

飛行機を使用して通院される方も少なくありませんが、上記のプラン通りに進めていけますので、あらかじめチケットを取り、その都度通院されている方もおられます。ウィークリーマンションを借りる方もおられます。また、持病がある場合にも対応できるような、局所麻酔や静脈麻酔の薬剤を選択しております。